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ノイズ‐NOISE‐第五章?

[330]  紀夜  2009-02-07投稿
真っ暗な闇。

上も下もない無限の空間。

かすかに感じるのは孤独。

何も無い。


喜びも悲しみも。


「フィ……ナさ……!!」

(今のはなに?)


何も聞こえぬはずの世界に響く音。


「フィオナさん…!!!」

(音じゃない、これはどこかで聴いた声…)


自分の存在すら忘れていた闇に、浮かび上がる小さな意識。


(ウィルさん…?!)


出口などないはずの空間に少しずつ光が差し込んだ。

「フィオナさん!!!!」

(ウィルさんだ!)

初めてだ。

誰かの声がこんなに嬉しいのは。

(ウィルさん!ウィルさん!!!私、私…!!!!)

光にあてられ見えてくる残像。

そして、自分とは別の、

心。

(やめてよ、やめて!!もう死はたくさん!!!!)
闇を照らす光は、あたかも天からの救いのようで

それは苦しい現実の入り口となっているだけだった。


それでもフィオナは手をのばした。

苦痛の光が照らす、

現実の世界へと。


「フィオナさん!!!」
一か八かの賭けで名前を呼び続ける。

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