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Sky at dawn〜青の夢〜3. Existence

[342]  2009-02-09投稿
 街の中
 死体があった。
 幼い頃から知っているパン屋のおじさん。
 遠征から帰ってくると、 兵士たちと一緒に食べに行った食堂のおばさん。
 最近結婚が決った兵士。 子供が歩いたと喜んでいた騎士。
 誰も
 動かない。
 立ち止まりそうになる足を動かす。
 守れなかった人たち。
 覚え自分の罪を覚える。 吐きそうになる思いを押し込み
 何度も流れる涙を拭った 前を向き歩く。
 ただいま
 そう言って
 お帰りなさい。
 そう答えてくれる人はもういない。
 それでも
 止まる事は許されない。 後ろを歩くクルーも涙を必死に抑えていた。
 今は泣き崩れる時ではない。
 クルーもそれを分かっている。
 幼い子が
 母に守られ死んでいた。 シードは夢で何度も見ていた光景。
 現実は酷く残酷なものだった。
 城門をくぐる。
 やはり誰の気配もない。 おそらくこの先も。
 同じような光景を見るだろう。
 謁見の間に向かう足が重い。
 暗い廊下を進むと
 穴に落ちて行くように感じた。

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