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連鎖・恋作(れんさ)

[492]  やなら  2009-02-11投稿
どのくらい、そうしてただろうか。少女は靴を脱ぎ、再び、フェンスを登り始めた。
少女の服装は、明らかにおかしかった。
いつ雪が降ってもおかしくないような季節なのに、薄いワンピースを一枚着ているだけだった。

フェンスをこえると、ベランダに雨が、かからないようにするための、コンクリートの、少しだけ出っ張った所に足を着いた。
恐る恐る下を向く。
学校の屋上とはいえ、人、一人を壊すには十分な高さがあった。
さすがの少女も少しためらったが、目をつむり、意を決したのか、そのまま重力に身を任せようとした。
その時、突然横から声がした。その声はどこか頼りなかったが、強い意志を感じさせた。
「自殺なんて、やめた方がいいですよ。」




続く

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