夕暮れと涙の石
ーこれは夢見る少女『ありす』の物語ー
その日17歳の少女ありすは、うとうとと昨日見た夢の事を考えていました。
いつもありすは屋根裏部屋の窓から夜空を見るのが好きでした。夜空の星を見つめていると、遠い昔の誰かを思い出すような気持ちになるからです。
ちょうど昨夜みた夢は、そんな甘く懐かしい余韻が残るような夢でした。確か…あのひとは…
かすかに耳に残る優しい声、風になびく髪そんな記憶とともにどおしようもなく切なくなる気持ちを一緒に運んできました。
『もう一度、あの人に会いたい…』
ありすはそうつぶやきながら眠りに落ちてしまいました。
その時、夜空の星がキラリと流れました。
『…リス… ア…リ…』
『待って!』ありすははっと目を覚ましました。部屋は真っ暗で誰もいません。おかしいな…あの人の声が聞こえたような気がしたのだけど…
ふかいため息をつきました。
すると、キィーと部屋の扉が開きぼんやりとロウソクの明かりが見えました。ありすはまぶしくて顔をしかめました。
『誰?』
『アリス様!お目ざめになられたのですね!』
誰かが慌てて駆け寄ってきます。アリスは見知らぬ若い娘の声を聞き耳を疑いました。
アリス さま? 段々目が慣れてくると、心配そうに自分を見つめる少女が立っていました。
『あなたは?』
『よかった、かなりの間眠っておられたのですよ?』
質問に答えない少女は、安堵の表情を浮かべ持っていたロウソクの火をランプにともしました。
部屋の全体が見えるとありすは驚きました。
『ここは…どこ?』
ありすのその言葉を聞くと少女は、はっと口に手をあて、
『…アリスさま、もしかしてお忘れになられたのですか?』少女は涙を浮かべています。
『忘れた…というか…』ありすは目をこすりながら、ゆっくり考えました。さっきまで自分の部屋で寝ていたはずなのに… これは、夢なのかしら… すると少女は小さな声で話しだしました…
『きっと、アリス様はあの方がおそばにいらっしゃらないので寝込んでしまったのでしょう。何日も高熱を出されうなされながらもあの方の名前を呼び叫んでおりました…
あの方を思うあまり、アリス様は…記憶を無くされてしまったのですね…』しくしくと少女は泣いています。
ありすはそっと少女の手をにぎりました。
その日17歳の少女ありすは、うとうとと昨日見た夢の事を考えていました。
いつもありすは屋根裏部屋の窓から夜空を見るのが好きでした。夜空の星を見つめていると、遠い昔の誰かを思い出すような気持ちになるからです。
ちょうど昨夜みた夢は、そんな甘く懐かしい余韻が残るような夢でした。確か…あのひとは…
かすかに耳に残る優しい声、風になびく髪そんな記憶とともにどおしようもなく切なくなる気持ちを一緒に運んできました。
『もう一度、あの人に会いたい…』
ありすはそうつぶやきながら眠りに落ちてしまいました。
その時、夜空の星がキラリと流れました。
『…リス… ア…リ…』
『待って!』ありすははっと目を覚ましました。部屋は真っ暗で誰もいません。おかしいな…あの人の声が聞こえたような気がしたのだけど…
ふかいため息をつきました。
すると、キィーと部屋の扉が開きぼんやりとロウソクの明かりが見えました。ありすはまぶしくて顔をしかめました。
『誰?』
『アリス様!お目ざめになられたのですね!』
誰かが慌てて駆け寄ってきます。アリスは見知らぬ若い娘の声を聞き耳を疑いました。
アリス さま? 段々目が慣れてくると、心配そうに自分を見つめる少女が立っていました。
『あなたは?』
『よかった、かなりの間眠っておられたのですよ?』
質問に答えない少女は、安堵の表情を浮かべ持っていたロウソクの火をランプにともしました。
部屋の全体が見えるとありすは驚きました。
『ここは…どこ?』
ありすのその言葉を聞くと少女は、はっと口に手をあて、
『…アリスさま、もしかしてお忘れになられたのですか?』少女は涙を浮かべています。
『忘れた…というか…』ありすは目をこすりながら、ゆっくり考えました。さっきまで自分の部屋で寝ていたはずなのに… これは、夢なのかしら… すると少女は小さな声で話しだしました…
『きっと、アリス様はあの方がおそばにいらっしゃらないので寝込んでしまったのでしょう。何日も高熱を出されうなされながらもあの方の名前を呼び叫んでおりました…
あの方を思うあまり、アリス様は…記憶を無くされてしまったのですね…』しくしくと少女は泣いています。
ありすはそっと少女の手をにぎりました。
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