携帯小説!(PC版)

トップページ >> ノンジャンル >> 帽子を被ったカラス

帽子を被ったカラス

[197]  矢岬 珪素  2009-02-14投稿
帽子を被ったカラスがいました

大人っぽくて上品な 黒い帽子です

カラスはその帽子をとても気に入っていました

朝も夜も いつもその帽子を被っていました

太陽が昇るころ 小鳥が歌いながら空で踊ります

でも カラスは頭から帽子が落ちてしまうので 一緒に踊りません

帽子を被ったまま踊るスズメもいました

スズメの帽子には紐が付いていて 帽子が落ちないように紐を首にひっかけていました

カラスは紐の付いている帽子は 子供っぽいような気がして嫌でした

カラスは踊りよりも その帽子が好きなのです

小猫がお昼寝を始めるころ カラスの仲間は街にご飯を食べに行きます

街のご飯は綺麗ではありません ほかの動物の食べ残しです

カラスは帽子が汚れないように ひとりで森の木の実を食べに行きます

カラスは 仲間と楽しく街のご飯を食べるより 綺麗な帽子を被っているほうが満足でした

山の木が赤く染まるころ
北風のなかでみんな恋の相手を探します

カラスは帽子が吹き飛ばされないように 家のなかでじっとしています

紐付き帽子のスズメは帽子を被るのをやめました 今は奥さんが大切です

カラスには帽子を被らないで暮らすなんて嫌でした

カラスは帽子に夢中です

池がカチカチに凍るころ カラスは家のなかでひとりぼっちでした

帽子が濡れたら嫌なので 雪の降る日は外に出かけません

カラスの頭は帽子のおかげでポカポカです

カラスは一生帽子を被っていたいと思いました

カラスはまだ 帽子を被っています

感想

感想はありません。

「 矢岬 珪素 」の携帯小説

ノンジャンルの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス