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雲と霧とわたあめ

[195]  矢岬 珪素  2009-02-14投稿
それはさわれそうでさわれない

まるで雲のように遠い

ふわふわふわふわ

高いところで漂う

手を伸ばしても届かない

近くまでいけたなら

きっとさわれる

きっとつかめる



ある日の朝 濃い霧が街を包む 霧にはさわれなかった つかめなかった 気付いてしまった 雲もきっとさわれない つかめない 近くまでいっても感じられない



それはまるで霧のよう

何度も手を伸ばす

目の前にあるのに 届かない場所にそれはある

近くにあるのにさわれない

もっと近づけばいいと思ってた

もっと手を伸ばせば届くはずだった

どうすればいい?

どうすればいい?

怖い さわりたい

怖い 手のなかに閉じ込めてしまいたい

不安が霧のように心を隠す

雲のように形を変える



友達と出かけたお祭り たくさんの屋台 たくさんの子供達 わたあめで手がべたべたの女の子がいた 女の子は笑ってた



霧が晴れた

雲を太陽が照らす

気付かなかっただけ

霧をつかんだ手のなかには水滴

形を変えた霧

きっと雲もつかめる

さわったときそれは形を変える

ちゃんとつかめていた

ちゃんとさわれていた

近くにあった

手は届いていた

見え方が変わっただけ

世界が変わる

形が変わっただけ

感覚が戻る

それはまるで雲のよう

ふわふわふわふわ

形を変える

ふわふわふわふわ

それはまるで霧のよう

心を白く 優しく包む

それはまるでわたあめ

こんなにあまい

笑顔になれる

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