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ギャグ・クエスト6

[385]  雛祭パペ彦  2006-07-06投稿
 魔法使いの経歴を詐称していた少女。
 今の仕事は、もっぱら勇者たちの食事づくりだった。
「なに作ろうかなー」
 冷蔵庫を開けると、ギッシリと薬草が詰まっていた。
「病院くさーい」
 ほとんどの薬草は、倒したモンスターが持っていたもので、道具屋で買ったものは少ない。捨てずに取っておいたら、溜まってしまったのである。
「買い物に行くの、めんどくさーい」
 重度の役立たずである。
 そういうわけで、他の食材を切らしていたこともあり、今日の夕飯は、薬草づくしということになった。
「えーと…あ!」
 冷蔵庫の中から薬草を取り出していると、少女は大変なことに気がついた。
 およそ3割の薬草に、カビが生えていたのである。
「…まあ、でも、熱を通せば食べれるよね。捨てるのもったいないもん。ちょうど肉もないことだし、薬草カレーに決定!」
 真の敵とは、味方の中に潜んでいる。
 少女が、自分の気持ちをいっぱい誤魔化しながら料理をしていると、勇者たちが帰ってきた。
 いまは、3人だけで戦っているのだ。
「おかえりー」
 少女が、作り笑いで迎える。
「あ、いい匂い」
「夕飯はカレーだな」
「楽しみですね」
 大量のスパイスによって隠蔽された「薬草臭」にも気づかず、勇者たちは顔をほころばせていた。
「福神漬も手作りだよ」
 しかし、原材料の99%が薬草である。それを着色料と化学調味料で誤魔化してあった。
「おーーーー!」
 少女の意外な特技に、何も知らない勇者と戦士と神官が、感嘆の声をあげる。
「いっぱい作ったから、好きなだけおかわりしてね!」
 少女の表情からは、すこしも罪悪感は見られない。
「いただきまーす」
 勇者たち3人の皿のなかには、米飯と、カレールゥと、ジャガイモのようなものと、ニンジンのようなものと、肉のようなものが盛りつけられていた。
 ちなみに「肉のようなもの」とは、すりつぶした薬草に化学調味料をブチこんで、片栗粉でこねて油で揚げたもので、決して肉ではない。
「うまい!」
 勇者が、喜びの声あげる。
「スパイスっぽくて、本格的だよな」
 戦士が、素直に少女をほめる。
「いい肉を使いましたね」
 神官が、嬉しそうに言った。
「よかったー。気に入ってもらえて(カビ薬草カレーを)」
 ふりかけご飯を食べながら、少女が言った。

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