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妄想日記〜憧れを手に入れた日々〜

[350]  タクト  2009-02-15投稿
わたしはどこにでも居るごくごく普通のサラリーマン33才。
横浜にある社宅に妻と生まれたばかりの男の子とごくごく普通に暮らしている。
子供が生まれ妻の収入が無くなり。子供の為にもなんとか頑張って働かないとって思った矢先にこの大不況で残業禁止だって。
細々と暮らすことを余儀なくされたわたしは一冊の雑誌の写真を眺めていた。

真紅のボディーは流麗な曲線を描き、力強くもとびきりの女性の妖艶さを思わせる。
今にも飛び出してきそうな跳ね馬はだれもを虜にするオーラを発している。

そう、フェラーリである。
その写真にはには最近発表されたばかりのCaliforniaが写っていた。
この電動メタルトップを備えたオープンカーは昔あったCaliforniaのディテールを随所にちりばめながらいかにもピニンファリーナらしい曲線美に最近のモデルに通じるデザインを見事に融合させていたこのフェラーリは何と言っても四人乗り!チャイルドシートを載せられる!ってゆうより載せてる写真が掲載されているではないか!
「これにしよう!」心の中で叫んだつもりが声になっていたらしく妻が驚いた顔でこっちを見ていた。

空前のスーパーカーブーム真っ只中に生まれ、自動車整備士の父の影響で自動車カタログを絵本に育った私はいつしかフェラーリに憧れ、フェラーリを神と崇めるようになっていた。

ミニカーを集めたり雑誌を穴が開くほど眺めるだけだけでエクスタシーを感じそうになっていたわたしがある日突然「この車」との共同生活を始めることとなった。

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