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奈央と出会えたから。<322>

[568]  麻呂  2009-02-18投稿

“キャー!!1年の小池君かわい〜ッ!!”



“アホか?!このバカ女子!!

敵チーム応援してんじゃねーよッ!!”


“うるさいわね!!いいじゃん。男子だって“騎馬戦”のトキ、騎手役の女のコにデレデレしてたじゃん!!”



“キャー!!こっち向いて〜!!”



応援席から聞こえてくる女のコ達の声援が、更にあたしの心臓を刺激する。



第1走者100mは1年生。



第2走者200mと第3走者300mは2年生。



アンカーは、3年生が走るコトになっている。



さすがはリレー。



足の速いヒト達ばかりだ。



くじ引きで当たったから仕方なく走るコトになったあたしは、



なんか、自分が場違いな気がして急に恥ずかしくなった。



第2走者が立つ、スタート位置に目をやると、



みんな、第1走者からバトンを渡されるのを、今か今かと待っている。



ドキドキドキドキ――



トップを走る白組の第1走者が、今、第2走者へバトンを渡した。



2位で入って来たのは赤組。



すごい。



しかも、トップとほとんど同時にバトンを渡した。



“赤組行けぇ―!!”



“白組!!赤に抜かれんなよ―!!”



赤組の第2走者は、あたしと同じクラスの男子、古原だ。



古原は、陸上部だから、足が速いんだ。


ふぇーん。そんな中に、あたしいていいのかなぁ。



ドキドキドキドキ――



あっ!!古原、トップの白組を抜いた!!



と言うコトは、あたし、トップで古原からバトンを渡されるワケ?!



ひえぇっっ。



これは責任重大!!


よしっっ。



覚悟を決めたっっ。


もう、やるしかないっっ。



なるようになるっっ!!



開き直るしかないッ!!



無理に気持ちを奮い立たせるしかなかった。



そうでもしないと、


あたし、



プレッシャーで押しつぶされてしまいそうだったから。



聖人。



心の中で応援してくれてる?!



神様!!



あたし、300m走り切れますようにッ!!

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