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日常 弐

[199]  蒼蝶  2009-02-20投稿
 俺の名前は『石嶋 睦(イシジマ リク)』。

 人よりも少し背が高くて、運動神経の良い、何処にでもいる様な普通のピチピチ(古)男子高校生だ。

 今日も何時も通り、高校に行ってツマらない授業を受け、部活動に励み帰るだけの、最近のパターンと化した日常を過ごす。筈だった。
と言うより、途中まではそうだったのに、一体何をどう間違ったら“こんな事”になるのか…。




事の起こりは数十分前、いつもより早めに部活が終わったので、薄暗い夜道(普段なら真っ暗だ)をのんびり歩いている途中、
「…石嶋睦だな?」
如何にもソッチ系のお兄さん達に囲まれ、そう聞かれた。
「イイエ、人違いです。」
厄介事に巻き込まれたくない一心で、咄嗟に自分じゃないと否定すると、
「アニキ、間違いありやせん。コイツです。」
と下っ端Aが俺の嘘を教える、それを聞いたアニキらしい人物は、俺の事を殺す気満々の目で睨み付けながら、
「お頭が、お前に用があるそうだ。ワシ等に付いて来い。」
「…あの、因みに拒否権とか命の保証は……?」
「ンナもん無い。黙って付いて来んと炙るぞ。」
…即答された。
あ、一応言っておくけど、俺は堅気じゃない人達に一度もお世話になった事は無いし、恨みを買うような真似もしていない。そこんとこ誤解の無いように。
それと、さっきから冷静にしている様に見える人もいるかも知れないが、表情に出ないだけで内心冷や汗ダッラダラ。逃げだしたくても足が言う事を聞かない。
まぁ、要するに「ボケッと突っ立っとらんでさっさと歩けヤ!!」

……どうやらこの人達は、現実逃避もさせてくれないらしい。
俺のさっきまでの平穏は、何処に逃げてしまったんだろうか―――。

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