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青き心は遠く、

[280]  安家 延昭  2009-02-20投稿
浩紀は教室に戻るまでの間も、何かぼーっとしているようだった。

いつも、多弁とまではいかないが、たわいもない話ぐらいはする。
だが今日は昌也の話に短い相槌を打つだけである。

「浩紀、お前なんかあったのか。」
やはり、黙ったままだ。
昌也はそっとしておこうと思った。
話たくないことなのだろう。

「…昌也」
浩紀は小さい声で昌也を呼んだ。

「今日の放課後、暇か。話たいことがある。」
「ああ、暇だよ。わかった、放課後な。」

浩紀が悩むのを見るのが初めてなので、昌也は少し心配になった。

放課後まではまだ時間があった。

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