生の証
このまま停滞していたいと思う私は、どこか間違っているのだろうか。
不安と安寧を同時に抱えたまま。
朽ちることもなければ、変わることもない。
ただ落ちてゆく、闇。
痛みは常に胸にあって、心の表面に傷をつける。
どこにも属したくない自分がいた。
でも属さないということは――生きることを放棄するということだ。
この厄介な人間世界。
空気と風しかない世界に生まれていたら、どんなに楽だったろう。
私はきっと風になって、誰の指図も束縛も受けず、果てしのない空を飛んでいくんだ。
自由になりたい。
本当の意味での、『じゆう』。
ただそれだけが望みで、でも叶わない願い。
この重い体を置いてはいけない。
大切な人たちを置いてはいけない。
ああ、そうか。妙に納得して、私は笑った。
それが『生きる』ということだ。
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