祖母の死と伯母の痛み2
「ばあちゃん、誕生日おめでとう」
通夜の日は祖母の誕生日だった。祖母の棺の前でバースデイソングを歌って、好きだったサイダーの封を切り、棺の上に乗せた。好きだったチーズケーキとモンブランに卵パン(コッペパンにマヨネーズで和えたゆで卵の入ったパン)私の膝掛、弟と妹の手製の匂い袋。そして
「…天国に行ったらばあちゃんをよろしくね」
十二で、白血病で亡くなった従弟の遺品であるぬいぐるみ。そのぬいぐるみをきつく抱き締めた伯母は絞りだすようにそう言った。
その心尽くしの品に囲まれた祖母は、なんとなく幸せそうであった。
幸せそうに、別れを惜しんでいた。
心残りのない葬儀となった
通夜の日は祖母の誕生日だった。祖母の棺の前でバースデイソングを歌って、好きだったサイダーの封を切り、棺の上に乗せた。好きだったチーズケーキとモンブランに卵パン(コッペパンにマヨネーズで和えたゆで卵の入ったパン)私の膝掛、弟と妹の手製の匂い袋。そして
「…天国に行ったらばあちゃんをよろしくね」
十二で、白血病で亡くなった従弟の遺品であるぬいぐるみ。そのぬいぐるみをきつく抱き締めた伯母は絞りだすようにそう言った。
その心尽くしの品に囲まれた祖母は、なんとなく幸せそうであった。
幸せそうに、別れを惜しんでいた。
心残りのない葬儀となった
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