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エルファ・人形残酷物語3

[354]  ぐうりんぼ  2009-02-27投稿
 この時…

「ウィアーンッ!
 ウィアーンッ!
 ミャミャーッ!
 ミャミャーッ!」

 車の中から子供の泣き声がして来た。

「おやおや? まだァ、中に1人残っていましたなァ?」

 中を覗いてみる。

 ハハァ、なるほど…

 中で可愛い子供人形が1体、足をバタバタさせながら泣き喚いている。

 どうやら、他のみんなに遅れてしまって1人、置いてぼりになったのかもしれない。

 笑いながら、配達人はその子を抱き上げた。

「ウィアーンアーンアーンッ!! ウィアンッ!! ウィアンッ!! ウィアンッ!!」

 顔をクシャクシャにして泣く泣く。

「まあ、イイ泣きっぷりだわ」

「名前はレレ。30体ある人形の中の、甘えっ子さんの1体ですよ」


「まあ、そう。可愛いわネェ」

「泣きっぷりがイイって事は、元気な証拠だと言う事ですネェ」

 マルシアも配達人も思わず、ほがらかな気持ちになった。

「では奥様、私はこれで」

 泣き虫レレをマルシアに託した配達人。

「ご苦労様」

「奥様がちゃんと、ママの所へ連れて行ってあげるから安心するんだよ」

 配達人はそう話しかけて、レレの頭を撫でた。

 後片付けを済ませた配達人は屋敷を後にした。

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