0316 -2-
最近忙しくて、なんだか久々な気がする日曜日。
部屋でだらだらするものの、そろそろ出かけなきゃいけないことは分かってる。
今日は午後から宮野くんと買い物だ。
宮野くんはりょうちゃんや紗奈ちゃんと同じ、あたしのクラスメイト。
女の子っぽい店で、一人じゃ行きにくいからついてきてくれ、だって。
二十歳にもなって買い物にも一人で行けないのかな、まったく。
なんて、ほんとは気づいてる。
自意識過剰じゃなければだけど、宮野くんはたぶんあたしのことすきだと思う。
最近よく買い物につきあわされる気がするし、冗談みたいに「すき」とか「かわいい」とか言ってくる。
やたらボディタッチも多いし。
でもあたしは宮野くんのこと、どうしても恋愛対象としては見れないんだ。
それなのに、宮野くんは優しくて、あたしはすぐ彼に頼ってしまう。
彼の気持ちを受け入れるでもなく、突き放すわけでもなく、こんな中途半端な関係に後ろめたさと罪悪感を感じる。
そろそろひとりで立てるようにならなきゃ。
宮野くんなら、分かってくれるだろうか。
りょうちゃんがあたしをすきだったころを、あたしに向けられた笑顔を、思い出しても悲しくはないのに、あの日もらった手紙は捨てれないんだ―――――。
卒業まであと15日――――――。
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