夏と西瓜 ?
この強情で説教くさいしゃべり方、僕の予想はきっと当っている。
「でもリカも成瀬くんのこと好きなんじゃ…」
「冗談やめてよ!あたしとアイツはただの幼馴染なんだからね!いっつもいっつも人のこと馬鹿にして、ほんっとムカつく!」
「姉ちゃんの嘘つき」
急に背後から声を掛けられて、姉とその友達はギャッと悲鳴を上げた。
「ヒヒロム!?あんたこんなとこで何やってんのよ!?しかも人の話盗み聞きするなんて最低だよ!!」
躍起になって怒る時の姉の顔は、まさしく鬼そのものだ。
一緒に居た友達は何だか居心地が悪くなったのか「じゃあリカ、また電話するね」
と言ってそそくさと帰ってしまった。
成瀬ユウこと、ユウくんは姉と同じ中学に通う14歳で、サッカー部のエースだ。
確かに口は悪いけど根は優しくて、僕は本当の兄のように彼を慕っていると言っても過言ではない。姉もさっきあんな風にユウくんのことを悪く言ったけど、僕はちゃんと知っているんだから。
七夕の夜、短冊に書いたユウくんへの気持ちを。
「待ってよ姉ちゃん!盗み聞きしてた訳じゃないよ!そこの水飲み場に居たら、たまたま姉ちゃん達の声が聞こえてきて!
それに姉ちゃん、本当はユウくんのこと好きなくせに嘘つくから」
それまで無言ですたすたと家路を急いでいた姉は、急に回れ右をして引き返し
「あんたみたいな小学生のガキに何が分かんのよ!あんたはいつまでも
あの関西バカと仲良くしてりゃいいのよ!二度とあたしに口出ししないで!」と一喝した。
もちろん関西バカとはソウタのことだ(当人は全く気にしてはいないけど)。
通りに一人残された僕は余計なことを口走ってしまったことを悔やみ、
冷凍庫の中のシャーベットを何故昨日のうちに食べてしまわなかったのかと自分を責めた。
普段じゃ絶対食べられない、高級そうなメロンクリームシャーベットだったのに。
「でもリカも成瀬くんのこと好きなんじゃ…」
「冗談やめてよ!あたしとアイツはただの幼馴染なんだからね!いっつもいっつも人のこと馬鹿にして、ほんっとムカつく!」
「姉ちゃんの嘘つき」
急に背後から声を掛けられて、姉とその友達はギャッと悲鳴を上げた。
「ヒヒロム!?あんたこんなとこで何やってんのよ!?しかも人の話盗み聞きするなんて最低だよ!!」
躍起になって怒る時の姉の顔は、まさしく鬼そのものだ。
一緒に居た友達は何だか居心地が悪くなったのか「じゃあリカ、また電話するね」
と言ってそそくさと帰ってしまった。
成瀬ユウこと、ユウくんは姉と同じ中学に通う14歳で、サッカー部のエースだ。
確かに口は悪いけど根は優しくて、僕は本当の兄のように彼を慕っていると言っても過言ではない。姉もさっきあんな風にユウくんのことを悪く言ったけど、僕はちゃんと知っているんだから。
七夕の夜、短冊に書いたユウくんへの気持ちを。
「待ってよ姉ちゃん!盗み聞きしてた訳じゃないよ!そこの水飲み場に居たら、たまたま姉ちゃん達の声が聞こえてきて!
それに姉ちゃん、本当はユウくんのこと好きなくせに嘘つくから」
それまで無言ですたすたと家路を急いでいた姉は、急に回れ右をして引き返し
「あんたみたいな小学生のガキに何が分かんのよ!あんたはいつまでも
あの関西バカと仲良くしてりゃいいのよ!二度とあたしに口出ししないで!」と一喝した。
もちろん関西バカとはソウタのことだ(当人は全く気にしてはいないけど)。
通りに一人残された僕は余計なことを口走ってしまったことを悔やみ、
冷凍庫の中のシャーベットを何故昨日のうちに食べてしまわなかったのかと自分を責めた。
普段じゃ絶対食べられない、高級そうなメロンクリームシャーベットだったのに。
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