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Push!Push! #14

[452]  ねむしゅー  2009-03-06投稿
仕事から帰っても
おれは嬉しかった

野上さんには本当に感謝してる

やっぱりアイツじゃダメですわ

と部長に言って推薦取り消したらしいけど…

まぁ言い方はともかく!
空手を辞めないで済んだ事が何より嬉しかった

野上さんは四国の実家の
うどん屋を継ぐらしい

(そのうち食べに行こう)

そんな事を思いながら
自主トレのために道場にくると

中で3人が練習していた

(そういえばもうすぐ試合とか言っいたなぁ)

挨拶をして道場に入る

もうすでに3人は汗だくだ
まだ新人のおれに孤立しないよう
話しかけてくれる小泉さんもいた

あとの2人はまだ若く、あまり話した事がない

「自主トレですか?」

息を切らしながら小泉さんが話しかけてくれた

「はい」

「一緒に練習します?」

(…!)

迷惑や邪魔にならないだろうか
不安もあったが

「お願いします!」


おれを含めた4人で練習が始まった

2人1組でペアになる
1人が大きなミットを持ち
1人が殴る。ただひたすら殴る

それを繰り返し、とにかく自分を追い込む

(キツイ…)

後半になると
ミットを持ってる方が前に出て
圧力をかけてくる

(ただでさえもうフラフラなのに…)

「赤川、加減したってくれ」

隣でミット持ってる小泉さんが
注意を促してくれる

(この人、赤川さんていうのか)

その時初めて名前を知った

しかし何も変わらない
なぜなら…最初から赤川さんは手を抜いてくれてたからだ

そしてミットを交代する
今度はおれが持つ番

腕があがらない状態で
ミットを持つのも苦しかったが…
何より、この赤川さんの一撃の強烈さに驚いた

10センチはある分厚いミット越しに
拳や蹴りの感覚が伝わってくる

(ミット無してこんなのくらったら…)


ミットが終わった瞬間おれは座り込んだ
それほどキツかった

まだ3人はこれから組手するという

その時、扉が開き
あの茶髪ロン毛男が
アクセサリーを光らせ、道場に入って来た

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