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サクラ咲ク、青ノート、春の音。

[113]  速水さん  2009-03-10投稿
?〜キミと出会えたこと〜その3

あれ。

なんやろ。

何か違和感を感じてもう一度みる。

……………

そこにいた。

そこだけ、違う空気が流れて、時間がとまったような。。。

イケメン。かっこいい。そんな言葉じゃ到底表現しきれない。凛としたたたずまい、不自然じゃない程度に少したたせた短めの黒髪。きりっとした眉毛。前だけを一点ただじっと見つめる意志の強そうなまなざし。長すぎず短すぎず、多過ぎず少な過ぎない睫毛に囲まれた、少し小振りな目。大きすぎないけど輝きのある黒目。筋の通った鼻。ぽってりとまではいかないけどバランスのいい口。しゅっと一筆で描いたような形のいい骨格。ちょうどいい具合に日焼けした、きめの細かそうな肌。小さい顔。がっしりした肩。その一つ一つに魅せられた。
目を閉じてもはっきりと思い出せるほど。
男前。確かにそうなんだけどそれだけじゃない何かが彼の周りを包んでいた。

何あの人。芸能人でもみたことないわ。

急いで式の時に配付された学部生名簿に目を通す。席の位置で学生番号を計算して―。

柳瀬翔平


ヤナセ…ショウヘイ。。

一目ぼれとは思いたくなかった。ただ、ただかっこいいと思った人がいる。それだけの事やと言い聞かせた。でも、自分の胸の鼓動が今までにないほど高鳴っていた事には気付いていた。
きっと―…。春のせいやわ。


4月1日。桜は満開の少し手前で、淡いピンクの花びらを、ようやく吹いてきた春の風に漂わせていた。

つづく→

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