時と空の唄13-1
トゥール港に着き、四人は馬を売り飛ばすとメイルと言う男を探して聞き込みを始めた。
そしてその男が酒場にいるという情報を得た。
酒場に行ってみるとバーボンを片手に飲んだくれる男の姿を見つけた。
「あんたがメイル…かい?」
ラウフが問いかけると男が振り向いた。
顎に髭をたくわえた30代後半らしきオッドアイの男。
「そうだが…何の用だ?」
「フォーという男を知っているか?」
その瞬間、メイルは怪訝な表情を浮かべた。
「フォーだって?」
「北のルメール神殿に行きたい。その為に船を出して欲しいんだがフォーはあんたにコレを見せれば船を出してくれると言ったんだ。」
ランスォールがポケットからソレを取りだしメイルに手渡す。
「それは…名刺、ですか?」
雪が下から手元を覗きながら訊いた。
「ああ。
前に仕事で付き合いがあったんだがその時に色々あってな。
…いいぜ。北まであんたらを送り届けてやる。」
着いてきな、と言ってメイルは酒場を出た。
急いで後を追うとメイルは酒場裏の樽を退かし地下へ姿を消した。
「……?」
シーラと雪は一度顔を見合わせてからランスォールとラウフと共に地下へ入っていった。
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