携帯小説!(PC版)

トップページ >> 恋愛 >> サクラ咲ク、青ノート、春の音。

サクラ咲ク、青ノート、春の音。

[110]  速水さん  2009-03-12投稿
?〜キミと出会えたこと〜その9
柳瀬翔平がふとこちらを見た。
「航太。」
え?
「うん?」
「悪い、たばこちょうだい。」
え?あぁ、たばこ吸うんや。あれ?
「あぁ、俺ら、一浪だから。」
ってことはもう二十歳。
「ま、ほんとは結構前から吸ってるんだけどね。」
ニコニコ亘君がニコニコしながら柳瀬翔平にたばこを渡す。せぶん…スター。吸わない私でも知ってる。確かに、初心者のたばこじゃないな。受け取った柳瀬翔平は建物の外に出て行った。
「亘君、柳瀬君と仲いいん?」今日初めて会ったにしては…
「翔平?うん。同じ地元で同じ高校だったんだ〜。家も近いし。浪人したのも一緒だったし、クサレ縁ってやつかも〜。あっ航太でいいからね。」
「へぇ。」
「早川さんも翔平のファン?」
「え?いやファンってわけじゃ―…」
「違うの?多いんだよ、かっこいいからな〜。」
そうなんか。まぁ、そうやよな。
「へぇ。よくモテる人なんや。」
「そりゃまぁ。でも大概の人はあきらめてく。」
「何で?」
「なびかないからじゃない?」
「なびかない?」
「まぁ、色々あって。そこがまたかっこいいんだけどね。」ニコニコ。
「ふーん…。」ふーん。
「ちなみに、翔平自分じゃたばこ持ってないんだよ。普段吸わないから。」
「じゃあ何で今?」
「翔平がもらいたばこする時は、外に出たい時。」
「外?」
「うん。とにかくこの場を逃げたい時。多分あれだな。」
航太君がニコニコしながら顔をむけた先は―…
「柳瀬君おそーい。」
柳瀬翔平を取り囲んで質問攻めにしていた冬木塔子ちゃんを中心とした女の子達。
「ひど!」
「って早川さんも笑ってるじゃん。あぁいうの、苦手なんだと思う。」
「ふーん。モテる男はつらいねんな。」
「かもね〜。ところでさー…」
他愛もない話をしながら考えた。なびかない柳瀬翔平。にあこがれている早川咲。が近付くといやがる柳瀬翔平。に手も足もでない早川咲。完全ノックアウト。1ラウンドKO負け。
じわじわときていた。桜色の風の風向きは、嫌な方向をむこうとしていた。
→続く→

感想

感想はありません。

「 速水さん 」の携帯小説

恋愛の新着携帯小説

新着小説作品

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス