サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その1
《カシャ》
「おぉ〜。」
シャッターを押す指先の感触。まだ慣れない。
「咲〜。これみて!むっちゃきれない?!」
といって見せてきたのは華ちゃんが先ほど撮ったサクラだった。
「ほんまや、キレイ!満開やな〜。」
「今日がお花見の日でよかったぁ!先輩達、授業サボって場所とりに行ってはんねんてぇ。」
4月11日。今日は写真同好会の新入生歓迎飲み会のお花見が、有名なサクラの名所の公園で行われることになっていた。
満開か―…確か柳瀬翔平を撮ったんはまだ満開じゃなかった時やったな…と思い出す。
あれから、オリエンテーションの1週間は、語学(英語2種類と第二外国語)、スポーツ、一般教養(大学ならではのでっかい教室で授業があるやつ。俗にいうパンキョー。)の授業登録をしたり、教科書を購入したり、何かと忙しくバタバタと過ぎ、今週から本格的に授業が始まっていた。華ちゃんとは語学以外ほとんど同じ授業だったし、パンキョーでは同じ学科の長谷部先輩がいたりして、キャンパスライフはまだぎこちないながらも、まぁまぁなスタートだった。すっかり居心地がよくなった写真同好会のボックス(部室みたいなん)から2人してカメラをレンタルし、お昼休みを利用して中庭で写真撮影に没頭していた。
「その後、宮崎君はどうなん?」
歓迎会の後の2次会で、華ちゃんはすっかり竹野内豊、じゃなくて宮崎涼太君と仲良くなったようだった。
「うん〜。宮崎君、地元に彼女おんねんてぇ。」
彼の地元は確か長崎。地方から出て来ている人が多い分、遠距離恋愛はちっとも珍しい話ではない。
「そうなんや。あきらめんの?」
「うーん、わからん。だいたいあきらめる以前にほんまに好きかもわからんしぃ。まぁかっこいいし一緒にいて楽しいし、しばらくは今のまんま仲良くしといて、ほんまに好きになっちゃったら、そん時はそん時で考えるわ。」
「そっか。」
ちゃんとリングに立てる華ちゃんは偉いな、と思う。
「咲はぁ?何かいい人おらんの?」
「うーん、そうやなぁ。」
「柳瀬君はぁ?かっこいいってゆってたやん。」
どきりとする。
「うーん、ろくに喋ったことないし、かっこいいなぁと思っただけやからなぁ。高嶺の花やし。」
自分はリングにあがろうともしないから。
→続く→
《カシャ》
「おぉ〜。」
シャッターを押す指先の感触。まだ慣れない。
「咲〜。これみて!むっちゃきれない?!」
といって見せてきたのは華ちゃんが先ほど撮ったサクラだった。
「ほんまや、キレイ!満開やな〜。」
「今日がお花見の日でよかったぁ!先輩達、授業サボって場所とりに行ってはんねんてぇ。」
4月11日。今日は写真同好会の新入生歓迎飲み会のお花見が、有名なサクラの名所の公園で行われることになっていた。
満開か―…確か柳瀬翔平を撮ったんはまだ満開じゃなかった時やったな…と思い出す。
あれから、オリエンテーションの1週間は、語学(英語2種類と第二外国語)、スポーツ、一般教養(大学ならではのでっかい教室で授業があるやつ。俗にいうパンキョー。)の授業登録をしたり、教科書を購入したり、何かと忙しくバタバタと過ぎ、今週から本格的に授業が始まっていた。華ちゃんとは語学以外ほとんど同じ授業だったし、パンキョーでは同じ学科の長谷部先輩がいたりして、キャンパスライフはまだぎこちないながらも、まぁまぁなスタートだった。すっかり居心地がよくなった写真同好会のボックス(部室みたいなん)から2人してカメラをレンタルし、お昼休みを利用して中庭で写真撮影に没頭していた。
「その後、宮崎君はどうなん?」
歓迎会の後の2次会で、華ちゃんはすっかり竹野内豊、じゃなくて宮崎涼太君と仲良くなったようだった。
「うん〜。宮崎君、地元に彼女おんねんてぇ。」
彼の地元は確か長崎。地方から出て来ている人が多い分、遠距離恋愛はちっとも珍しい話ではない。
「そうなんや。あきらめんの?」
「うーん、わからん。だいたいあきらめる以前にほんまに好きかもわからんしぃ。まぁかっこいいし一緒にいて楽しいし、しばらくは今のまんま仲良くしといて、ほんまに好きになっちゃったら、そん時はそん時で考えるわ。」
「そっか。」
ちゃんとリングに立てる華ちゃんは偉いな、と思う。
「咲はぁ?何かいい人おらんの?」
「うーん、そうやなぁ。」
「柳瀬君はぁ?かっこいいってゆってたやん。」
どきりとする。
「うーん、ろくに喋ったことないし、かっこいいなぁと思っただけやからなぁ。高嶺の花やし。」
自分はリングにあがろうともしないから。
→続く→
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