サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その2
「高嶺の花ぁ?何言ってんの!柳瀬君確かにかっこいいけど、咲すっごいかわいいやんか!自信もち。」
はぁ、どうも。と思う。今までもよくそんな風にほめてもらった。結構モテてもいた。自分の顔が嫌で嫌で仕方がない、といったコンプレックスがないのは確かだったけれど、自分の顔は好きではなかった。私はもっと、キレイであるとか、美人であるとか、そういう類いに憧れていたからだ。
「ありがとう。でもまぁ、好きとかっていうまでにはならんよ。」
嘘をついた。リングに上がれてもいない自分を知られるのが少し怖かったからだ。
「塔子ちゃん、最近柳瀬君とこ行かんと思わん?」
「そういえばそやなー。」
確かに。歓迎会でも、その後学科での集まりの時はいつでも、柳瀬君の近くを陣取っていたのに。
「何かね、フラれたっぽいねん。」
「え?!」
「実際好きっていったんかどうかはわからんけど、何か興味ない的なこと言われたらしい。」
「そうなんや。」
へぇー。まだ入学して11日しか立っていないというのに、フラれるという現象が起こるのに驚いた。人種が違うと思った。それから、航太君の言ってたとおりやなーとも。そしてやっぱり、少しほっとしてもいた。
「塔子ちゃんもプライド高いから、柳瀬君意外とかっこよくないとかいいふらしてるねん。かわいそうに。」
「うん。でも本人気にしてなさそう。それどころかほっとしてるんちゃう?塔子ちゃんがこなくなって。」
「へぇー。すごい。うん、そうらしい。よくわかったねぇ。」
「まぁ。な、なんとなく。」
放送部の活動だろう。校内スピーカーからはビートルズのノーリプライが聞こえていた。
塔子ちゃんを想った。リングにあがり、思いっきり攻撃したものの、空振りばかり。あげくにあっけなく試合終了。しかもそれは、相手の強烈なパンチによるものではなく、興味なし、の試合放棄によるものだった。ノーリプライ。アイニアリーダイ。
「咲がさ、高校の時つきあってた、ほら、あの野球部の。何君やっけ?」
「荻野君?」さわやかな笑顔と坊主頭を思い出す。
「そうそう!荻野君。あの子が、ゆっとってん。」
「何を?」
「咲にな、何回も告ったって。フラれてもあきらめずに、うっとうしい通り越して、あれがないと何か寂しいわって思うようにって。日課みたいに。」
「高嶺の花ぁ?何言ってんの!柳瀬君確かにかっこいいけど、咲すっごいかわいいやんか!自信もち。」
はぁ、どうも。と思う。今までもよくそんな風にほめてもらった。結構モテてもいた。自分の顔が嫌で嫌で仕方がない、といったコンプレックスがないのは確かだったけれど、自分の顔は好きではなかった。私はもっと、キレイであるとか、美人であるとか、そういう類いに憧れていたからだ。
「ありがとう。でもまぁ、好きとかっていうまでにはならんよ。」
嘘をついた。リングに上がれてもいない自分を知られるのが少し怖かったからだ。
「塔子ちゃん、最近柳瀬君とこ行かんと思わん?」
「そういえばそやなー。」
確かに。歓迎会でも、その後学科での集まりの時はいつでも、柳瀬君の近くを陣取っていたのに。
「何かね、フラれたっぽいねん。」
「え?!」
「実際好きっていったんかどうかはわからんけど、何か興味ない的なこと言われたらしい。」
「そうなんや。」
へぇー。まだ入学して11日しか立っていないというのに、フラれるという現象が起こるのに驚いた。人種が違うと思った。それから、航太君の言ってたとおりやなーとも。そしてやっぱり、少しほっとしてもいた。
「塔子ちゃんもプライド高いから、柳瀬君意外とかっこよくないとかいいふらしてるねん。かわいそうに。」
「うん。でも本人気にしてなさそう。それどころかほっとしてるんちゃう?塔子ちゃんがこなくなって。」
「へぇー。すごい。うん、そうらしい。よくわかったねぇ。」
「まぁ。な、なんとなく。」
放送部の活動だろう。校内スピーカーからはビートルズのノーリプライが聞こえていた。
塔子ちゃんを想った。リングにあがり、思いっきり攻撃したものの、空振りばかり。あげくにあっけなく試合終了。しかもそれは、相手の強烈なパンチによるものではなく、興味なし、の試合放棄によるものだった。ノーリプライ。アイニアリーダイ。
「咲がさ、高校の時つきあってた、ほら、あの野球部の。何君やっけ?」
「荻野君?」さわやかな笑顔と坊主頭を思い出す。
「そうそう!荻野君。あの子が、ゆっとってん。」
「何を?」
「咲にな、何回も告ったって。フラれてもあきらめずに、うっとうしい通り越して、あれがないと何か寂しいわって思うようにって。日課みたいに。」
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