サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その3
荻野輝。中学から野球部だからいつも黒く日焼けしていた。笑うとその分歯が白く見えて、ひかえめなえくぼがうっすら。中肉中背だけどやっぱり腕はカチコチで、野球部員がみんなそうだったように、足が速く、運動ができた。勉強は中の下で正義感が強くて明るくて、みんなの人気者。そんなテルに好きだと言われたのは、高校2年の秋だった。
「好きやねん。俺と付き合って下さい。」
試合開始の前に一列に並んで挨拶をするみたいに、姿勢よく、礼儀正しく、緊張が顔にでていたイキナリの告白だった。
実はその数か月前から、荻野輝はどうやら早川咲を好きらしい、という噂は私の耳に入っていたので、「ほんまやったんや」と意外に冷静に思っていた。
多くの女子がよく使う、「決して嫌いではないけれど」や「気持ちは嬉しいけど」という言葉は頭にうかびはしたけれど、姿勢も礼儀もいい彼には、カーブじゃなくて直球で答えなくては、という気がした私が選んだ言葉は、「興味ないんで」だった。
「正直どういう人かわからんし、今つきあうとかそういうの興味ないんで。」
それを聞いた荻野君は、悲しむでもなく、怒り出すでもなく、笑った。ハハハハと。白い歯と。小さなえくぼと。
「正直やなぁ。そういう所が好きやねん。」
それから、彼はスポーツマンらしい、タフさとガッツで、私に会う度に好きだといった。人がいても構わず好きだと言ってきた。おかげで学校中の話題になったし、ひやかされもしたけど、しばらく続くと逆に誰もネタにしなくなった。そうしているうちに、告白は日課のようになり、それがないと何か落ち着かないな〜と感じるくらいになった。初めての告白以来半年が過ぎていた。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「そんなことゆってたんや。」
「うん。うちの高校では伝説やったもんな。101回目の告白やって。」
101回かはわからないけれど。
「それ聞いた時さぁ、何か見習いたいなと思ってん。」
「101回?!」
「そうじゃなくて、それくらい、想うってこと。1回告って、フラれて。それであきらめるようじゃあかんなって。それくらい好きにならな簡単に告ったりしたらあかんなって。」
「うん。」
「だから、塔子ちゃんはまだまだやと思うし、宮崎君のことも、もっと考えなあかんなって。」
「うん。」
柳瀬君の事を考えていた。
荻野輝。中学から野球部だからいつも黒く日焼けしていた。笑うとその分歯が白く見えて、ひかえめなえくぼがうっすら。中肉中背だけどやっぱり腕はカチコチで、野球部員がみんなそうだったように、足が速く、運動ができた。勉強は中の下で正義感が強くて明るくて、みんなの人気者。そんなテルに好きだと言われたのは、高校2年の秋だった。
「好きやねん。俺と付き合って下さい。」
試合開始の前に一列に並んで挨拶をするみたいに、姿勢よく、礼儀正しく、緊張が顔にでていたイキナリの告白だった。
実はその数か月前から、荻野輝はどうやら早川咲を好きらしい、という噂は私の耳に入っていたので、「ほんまやったんや」と意外に冷静に思っていた。
多くの女子がよく使う、「決して嫌いではないけれど」や「気持ちは嬉しいけど」という言葉は頭にうかびはしたけれど、姿勢も礼儀もいい彼には、カーブじゃなくて直球で答えなくては、という気がした私が選んだ言葉は、「興味ないんで」だった。
「正直どういう人かわからんし、今つきあうとかそういうの興味ないんで。」
それを聞いた荻野君は、悲しむでもなく、怒り出すでもなく、笑った。ハハハハと。白い歯と。小さなえくぼと。
「正直やなぁ。そういう所が好きやねん。」
それから、彼はスポーツマンらしい、タフさとガッツで、私に会う度に好きだといった。人がいても構わず好きだと言ってきた。おかげで学校中の話題になったし、ひやかされもしたけど、しばらく続くと逆に誰もネタにしなくなった。そうしているうちに、告白は日課のようになり、それがないと何か落ち着かないな〜と感じるくらいになった。初めての告白以来半年が過ぎていた。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓「そんなことゆってたんや。」
「うん。うちの高校では伝説やったもんな。101回目の告白やって。」
101回かはわからないけれど。
「それ聞いた時さぁ、何か見習いたいなと思ってん。」
「101回?!」
「そうじゃなくて、それくらい、想うってこと。1回告って、フラれて。それであきらめるようじゃあかんなって。それくらい好きにならな簡単に告ったりしたらあかんなって。」
「うん。」
「だから、塔子ちゃんはまだまだやと思うし、宮崎君のことも、もっと考えなあかんなって。」
「うん。」
柳瀬君の事を考えていた。
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