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あしたなんていらないから?

[291]  あめの  2006-07-08投稿



横になったら、なんだかねむくなった。



『あんだけ寝ても…やっぱり…眠いもんは眠いんだよ…な…』


ふわぁあぁ…っとまぬけなおおあくびをしてから
俺は夢の国へと旅だった。





―…風が冷たい。





『さむっ…』



気が付けば放課後。
グラウンドの方から、野球部の掛け声が聞こえる。




『もしかしなくても1日中寝てたっぽいな。』



俺は少し反省して、
あしたは2限目からちゃんと出よう。
なんて自分に誓いをたてたりした。



『いや、でもやっぱり3限目にしよっかな…』


早速決意が揺らいできた。




『…あんまり寝てばっかりいると、授業日数足りなくなるよ。』
『そうそう。俺実は数学の授業日数足りなさすぎてやばすぎなんだよね。』
『明日は数学1限目だよ。』
『そうだっけ?授業出なさすぎて時間割りわすれ……………た…………あれ?』



俺いま誰としゃべってた?





『…いまどき屋上で自殺した幽霊…なんか…出ないっしょ?』
『出るんだなぁこれが。』




ひっ…



『なーんてね。』



へ?



声の主がクスクス笑う。



『どこ?』
『ここ。』



バンバン!と屋上のドアが何かに叩かれた。


音は、ドアの真上にある見張らし台(と俺は呼んでいる)の上からした。


ひょいっと目をやると、
髪の毛を長く垂らした、女の子が座っていた。



『…えーっと…?』
『ハジメマシテ。』
『……………いや、誰?』




こんな生徒は見たことがない。

『ハジメマシテなんだから、誰も何もないんじゃない?』
『あ…そっか。』




なんだかやけに悟った顔をしたやつだ。

でもまぁ、一応自己紹介くらいしとこうかな。



『ハジメマシテ。高校2年A組 相田 文也です。』
『…あたしも言うの?それ。』


言いたくないならいいよ。


と言おうとしたけど、あからさまに嫌そうな顔をしてるので


『別に。』


とだけ答えた。



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