雛菊−Comfort−
雛菊−Comfort−
最後の言葉も届かない暗闇に沈む
月の調べは今宵も哀しく謡う
ヒトに生まれた慶び悲しみを込めて
白黒の鍵盤が奏でる
罪人は弁解さえできずに己の弱さを呪うばかり
咎人は疎外されて 隔離されて異質な音で鳴き喚く
もし私はヒトでなかったら
誰かを裏切ることもなかった?
妖しくざわめく悲痛の叫び
この声が届くなら答えてください
淡い慰めは空から落ちて
私に降りそそぐ雨
冷たくも暖かい
八月の通り雨
傷に凍みて少し痛いよ
雛菊は枯れた後も私を守ると告げた
あの雨の日
痛くも優しい夕立のなか
ほんの少しだけ
笑顔になれたんだ
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