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ギャラクシーラリー11

[446]  フェイ  2009-03-13投稿
参入志願者逹4

「もっと、こう…派手なやつがやりたいんですよ」

顔見知りのディレクターを捕まえて、ケインは自分のかねてからのアイデアを語る。

「俺だってね、アクションをやりたいんだよ。だけどスポンサーがつかないんだよ。今はね」ディレクターはそう言った。

彼はむずかる子供を諭すような口調で続ける。

「それにどれだけ凄いスタントやっても売りにはならないんだよ。今はCGでどうにでもなるからね」

それじゃ、と手をあげて彼は行ってしまった。

仕方ない。今は筋肉番長の収録に集中しよう。

いつか親父に追い付き追い越す。それがケインの夢だった。

彼の父親はハリウッドで成功したアクションスターだった。

父親に憧れ自分も同じ世界に入った。

しかし、強くなるほど、芸能界に慣れるほど父親の背中が遠くに見える。

くそったれ!もっと強くなりたい。もっと名を上げていつかハリウッドに!

そんな事を考えていると、ワキタ君から声をかけられた。

「ケイン調子はどう?」

ワキタ君はお笑い芸人だ。
「俺なんかさぁ、本業のお笑いじゃスベってばっかだから、こういう番組で頑張っていかないと」

ワキタ君はこの手の番組の常連だ。

そう、この芸能界は前に前に出ていかなければ、生きていけない。

そこにもう一人スポーツマンの芸人のショージ君がやってきた。

「今日はヨロシク!負けないからな。なんつっても俺はこういう番組にかけてっから」

さっきのワキタ君と同じ事を言ってる。

ショージ君は相方のヒロシ君が本を書いたり、映画を撮ったりしてるから焦ってるみたいだ。

ヒロシ君映画撮ったんだ…。ケインはヒロシが羨ましかった。いつか自分も…。
「そう言えば、イッコーさんから聞いたんだけど…」
イッコーさんと言うのは、有名なメイクさんだ。

ショージ君の話はケインには衝撃的だった。

三億円…。山分けしても一人一億…。夢が、自分の映画が近づく。

ケインにはもうそれしか見えなくなる。

「ねぇ、この三人でそのレースに出よう」

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