サクラ咲ク、青ノート、春の音。
?〜キモチを伝えること〜その6
私。華ちゃん。長谷部先輩。シダレた夜桜。いい具合にお酒が入り、私による柳瀬君、華ちゃんによる宮崎君、それぞれの暴露トークが終わってから少しして、長谷部先輩が何かを探すように、鞄の中をガサゴソしだした。
「よっぱらった勢いで僕の自慢の作品見せようか。」
そう言って取り出したのは真っ赤なアルバムだった。
「何これ?中見ていいんですか?」
「どうぞ。」
華ちゃんと顔を突き合わせるようにしてアルバムのページをめくる。
青空。花。そして若者達。
「これとこれ。それにこれ。」
長谷部先輩は、3つの写真を指差した。
「どう違うか、わかる?」
それは3つとも、男女何人かを写した写真だった。それぞれみな楽しそうに笑っている。
「え〜何やろ。違い、ですか?」
「うん。難しいか。じゃあ、どれが好き?」
う〜ん、と華ちゃんと写真を見比べる。
「これ、かな。」
偶然にも、2人が好きだといったのは同じ、3枚目に指された写真だった。
「うん。」長谷部先輩は満足そうにうなずく。
「内緒だよ。」
そういいながら、先輩がアルバムのページをめくる。
「あっ!」
2人同時に声をあげた。そこにあったのは、一人の女性の写真だった。笑った顔、無表情の顔、恥ずかしそうに怒った顔。そしてそれは、まぎれもなく松尾先輩だった。
「これって…」長谷部先輩は松尾先輩が好きなんだなとわかった。華ちゃんもわかっただろうと思う。
先輩はもう一度さっきのページに戻して、1枚目の写真を指差した。
「この写真には、ヨリコがいない。」
2枚目と3枚目を指差す。
「こっちは、両方共、ヨリコが写ってるけど、この2枚には、大きな違いがあるんだ。」
2枚の写真を見比べる。
「こっちは、入学して間もない頃、つまりヨリコと知り合って間もない頃に撮った写真。こっちは、秋頃、つまり、ヨリコの事が好きだってわかった後に撮った写真。」
それは、2人が何となく好きだと指差した3枚目の写真だった。
「やっぱり写真は、撮る側の気持ちがでるってこと。だから好きな人や好きなものを撮ると、いい写真ができるんだ。」
なんだか心があったかくなった気がした。けれど、気のせいか長谷部先輩は寂しそうな顔をしているように見えた。
私。華ちゃん。長谷部先輩。シダレた夜桜。いい具合にお酒が入り、私による柳瀬君、華ちゃんによる宮崎君、それぞれの暴露トークが終わってから少しして、長谷部先輩が何かを探すように、鞄の中をガサゴソしだした。
「よっぱらった勢いで僕の自慢の作品見せようか。」
そう言って取り出したのは真っ赤なアルバムだった。
「何これ?中見ていいんですか?」
「どうぞ。」
華ちゃんと顔を突き合わせるようにしてアルバムのページをめくる。
青空。花。そして若者達。
「これとこれ。それにこれ。」
長谷部先輩は、3つの写真を指差した。
「どう違うか、わかる?」
それは3つとも、男女何人かを写した写真だった。それぞれみな楽しそうに笑っている。
「え〜何やろ。違い、ですか?」
「うん。難しいか。じゃあ、どれが好き?」
う〜ん、と華ちゃんと写真を見比べる。
「これ、かな。」
偶然にも、2人が好きだといったのは同じ、3枚目に指された写真だった。
「うん。」長谷部先輩は満足そうにうなずく。
「内緒だよ。」
そういいながら、先輩がアルバムのページをめくる。
「あっ!」
2人同時に声をあげた。そこにあったのは、一人の女性の写真だった。笑った顔、無表情の顔、恥ずかしそうに怒った顔。そしてそれは、まぎれもなく松尾先輩だった。
「これって…」長谷部先輩は松尾先輩が好きなんだなとわかった。華ちゃんもわかっただろうと思う。
先輩はもう一度さっきのページに戻して、1枚目の写真を指差した。
「この写真には、ヨリコがいない。」
2枚目と3枚目を指差す。
「こっちは、両方共、ヨリコが写ってるけど、この2枚には、大きな違いがあるんだ。」
2枚の写真を見比べる。
「こっちは、入学して間もない頃、つまりヨリコと知り合って間もない頃に撮った写真。こっちは、秋頃、つまり、ヨリコの事が好きだってわかった後に撮った写真。」
それは、2人が何となく好きだと指差した3枚目の写真だった。
「やっぱり写真は、撮る側の気持ちがでるってこと。だから好きな人や好きなものを撮ると、いい写真ができるんだ。」
なんだか心があったかくなった気がした。けれど、気のせいか長谷部先輩は寂しそうな顔をしているように見えた。
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