届け、僕の声。?
〜拝啓 カケル様
春が兆しが感じられる今日この頃。
あなたは、いかがお過ごしですか。
この手紙があなたのもとに届いているということは、私はもうそこにはいないのですね。
今日、こうやって手紙を差し上げたのには、あるお願いがあったからです。
私を、忘れて下さい。
無理なお願いだということは、知っています。
でも、あなたが私のせいで前を見れないのならば、どうか忘れて下さい。
じゃあ、バイバイ。
敬具〜
「ふざけるな、ハルカ」
全身から力が抜けて、その場に座り込んだ。
いつ書いた手紙かは知らないが、ふざけるな。
忘れられる訳ないだろ、忘れられるわけ・・・。
ポタッ、ポタッ。
手紙に、涙が落ちた。
広がってシミを作る。
よく見れば、同じようなシミが他にもあった。
「ハルカ?」
「泣くぐらいなら、こんな手紙書くなよ」
「ごめん、ハルカ・・・。」
そう行って、立ち上がり、紙とペンを取った。
−−−つづく−−−
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