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汚染 63

[141]  ふく  2009-03-22投稿
貴方が小説を貸してくれた
だからお返しに私も小説を貸した
お互い同じ様なジャンルを好んだ
共通の趣味
気持ちは離れていても素直にそれだけで嬉しく思った

普段なら少しずつ読み進めて行くけれど今回は無心で読んだ
貴方も読んでくれているだろうか

小説を手にする度に貴方を思い出す
貴方が触れた物
この一文字一文字を貴方も読んだ
貴方はどんな事を感じただろうか
貴方も此処で胸を痛めただろうか
貴方も此処で涙しただろうか
不思議と心が温かくなる
同じ物を見て
同じ物を感じて
当たり前の事だけれど本当は難しくて大切な事の様に思える

いつの間にか時間は過ぎ疲れて眠った
枕の横に置いた小説
貴方が側にいてくれる気がして安心して眠った

絡まる想い
逃れられない
また一つ繋がる物に
私の想いは苛まれる

どうもがいても
想いなんて減らない
貴方がその手で私を離してくれないと繰り返してしまう

同じ物を見付ければ深くなる
本当ならもっと話していたい
望んでも叶わないから強く願う

私はどうしようもない位
無いものねだりをしてしまうから

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