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奈央と出会えたから。<338>

[486]  麻呂  2009-03-23投稿

『サチヨ。さっき言ってた言葉だケド‥‥あたしは違うと思う。

裏切り者が、裏切り者に裏切られただけじゃ、罪の償いにはならないし、それだけじゃ、何の解決にもならないと思う。』



あたしの言葉が意外だったのか、サチヨとタツヤは、目を丸くして、あたしの顔をじーっと見つめた。



『奈央。あんたって、どこまでお人好しなの?!全く信じらんない性格してるよ。

分かってる?!
あんただって、ユカに裏切られたんだよ?!

アイツのせいで、クラス全員からシカトされて、いじめられるようになったじゃん?!

普通、あんな酷い目に合わされたら、2度と仲良くなんてなれないと思う。

奈央。あんた、おかしい。変わってるよ。』



サチヨは、あたしにそう言った後、タツヤに同意を求めるかの様に視線を送った。



『木下、オマエだって内心は、秋田谷が不幸な目に遭うコトを想像して楽しんでんだろ?!

秋田谷は今日休んでんだろ?!

その男とデートじゃねーの?!

2股、3股、4股掛けられてるとも知らねーでよ?!』





おかしい‥‥?!



あたしが‥‥?!



なんで?!



あたしは、サチヨとタツヤの言葉が許せなかった。



コイツら2人は似ていると思った。



そして、よく分かった。



コイツらの人間性が。



サチヨもタツヤも、結局は弱い人間なんだ。



他人の噂や中傷をかき集めて、陰口をたたいたり、他人をおとしいれたり。



そういうコトでしか自分の身を守るコトが出来ないんだ。



そう思うと、



コイツらって、



なんて小さいヤツだって思った。





『タツヤ。あたしがユカの不幸を願ってるだなんて、変な噂流さないでよね。

サチヨもタツヤも言動には気を付けた方がいいよ。

じゃないと、

腐った大人になるよ。』



サチヨとタツヤは、一瞬、顔を見合わせた。



彼らにとって、あたしが、こんな言葉を返したコトは驚きだったに違いない。

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