携帯小説!(PC版)

GILTY

[107]  美波  2009-03-23投稿
こんなに辛いなら、いっそ最初から何も無かった方がよかった。

そう思わずにはいられない―。




「終わりにしよう。」


「え?」

今も耳にはっきりと残っている。

頭を銃で打ち抜かれたみたいに、一瞬にして真っ白になり思考回路が停止した。

「俺みたいなおじさんより、まだまだ若い莉緒には良い奴いるから。」


止めて。キキタクナイ―。

そんな残酷な言葉を微笑みながら言い放つ彼の言葉を、あたしはただ、俯いて聞くしかなかった。


6つも年上の彼に合わせて、少しでも釣り合いたくて服や髪型、振る舞いなんかも頑張った。

そんなあたしは最後まで、泣き付いてすがることさえできず、気丈な振りをしていた。



終わりが来ることは分かっていた―。

約束だったから。



高校生のあたしは、彼にとってはお遊びにしか過ぎない。
大学生の彼は結婚はしていないものの、結婚を決めた彼女がいた。

それを承知で付き合ってもらって1年。




こんなにもあっさり終わってしまった―。

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