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ミサンガが切れるまで 4話

[363]  麻生みさ  2009-03-23投稿
「じゃあ何する?」
夏乃はみんなに意見を求める。
「その前に自己紹介しません?僕まだ君達のこと知らないし」
2番の人が笑って言う。
その笑った顔が人なっこくてかわいい。
「そうでしたね。あたしは緑葉中3年の春日ハルヒです。ハルって呼ばれます」
  ─っ緊張する。
心臓が早鐘を打つ。
自分でもよくこんなにスラスラと言葉が出てきたと思う。
よく言った自分。
とか自画自賛してみたり。
「あたしも同じく3年の立花夏乃です。よろしくお願いします」
頭の中パニックなハルヒの隣で夏乃が平然と挨拶していた。
「わたしは2年で一条柚です。どうぞゆーちゃんと呼んでください」
緑中メンバーの挨拶が終わったところで2番の人が口を開いた。
「僕は枝中3年の石草陽太っていいます。どうぞ呼び捨てで」
「わかった。陽太ね」
同じ学年か。
「それで、2対2の試合ってどうでしょう?」
陽太が一番最初の夏乃の問に対する答えを出した。
「うん、じゃあチーム分けは恨みっこなしのジャンケンで。勝った人が右コートで負けた人が左コートね」
『じゃんけーん』
みんなが一斉に手をグーにして振り上げる。
『ぽん』
みんながだしたのは……
ハルヒがチョキ、夏乃がパー、ゆーちゃんがパー、陽太がチョキ。
こんなことがあって良いのだろうか。
飛び上がりそうなのをこらえて、心の中で喜んだ。
「勝ちましょうね」
「はい!」

それから朝食の時間まで四人は汗を流し続けた。

試合の結果は、当然と言えば当然なのだが12対25でハルヒ&陽太チームの快勝だった。



そしてこの合宿でハルヒと陽太が会うことはもうなかった。

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