時と空の唄13-3
「帰りはどうするんだ?」
メイルがラウフに訊ねる。
「どうする、ランス?」
今度はラウフがランスォールに訊いた。
「うーん…。
どれくらいかかるか分からないからなあ…」
「待っててもらう訳にはいかないものね。」
シーラも言った。
「そうだな…
じゃあ3日後もう一度来るよ。
3日分の食糧はあるんだろ?」
メイルの出した提案に四人は頷いた。
メイルの船が右へ左へと蛇行しながら遠ざかっていくのを見守り、雪の降る神聖なルメール神殿を仰いだ。
「ここで、全てが終わるのかな…」
この旅も、止まってしまった時間も。全て。
シーラの呟きにランスォールが真っ直ぐ神殿を見て答える。
「終わらせるんだ。
シーラの時間を、取り戻そう。」
強いランスォールの言葉に溢れかけた涙を眼の奥にしまい、シーラもまた強く言った。
「ええ、そうね。
…行きましょう。」
雪の積もった北の大地に踏み出した。
四人分の足跡が神殿まで続く。
「行くぞ。」
四人は一度頷き合うと寒さに冷たくなった大きな神殿の扉を押した。
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