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スラム part40

[495]  やいち  2009-03-25投稿
「新藤。市瀬ってどんなやつなんだ?」

「嘉谷さん。真さんに会ったんですか?」

「私学大会の時にな。」

「んじゃあ俺が誰に言われてここに来たかはわかってるんすね。」

「まぁな。でもなんであいつは俺んとこにお前を来させたのかはよくわかんないな。」

「真さんは俺の柔道スタイルの師匠みたいな人なんすよ。」

なるほど。
だから初めて新藤と試合したときに投げられたことがある感覚がしたのか。

「真さんがいっつも言ってたんすよ。俺が中学で全国に行って負けるまでの試合で一番厳しかった試合は嘉谷さんとの試合だって。あれだけはなんで勝てたかわかんないくらいだって。だから高校に入ったらまた試合がしたいんだって。」

ちょっと驚いた。
全国トップクラスまで行った選手が自分を覚えていたことにも驚いたが、なにより、そいつがずっと再戦を望んでいたことにはもっと驚いた。

「だから俺がこの高校に来たんすよ。もともと、俺は柔道で高校に行く気なかったんで。なんで嘉谷さんが出てないのか、弱くなってしまったのか確かめてくれって言われてたんすよ。」

弱くなったってのは当たりかもな。

「でも俺はここに来てよかったと思ってますよ。進学校でこれだけ強いのうちくらいだと思いますし。」

「お前が来てくれて助かったよ。」

そう話してから、道場の掃除をして帰った。

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