あしたなんていらないから?
前略お母様
いや、おふくろさま?
僕は今日ここで、幽霊に食われて死ぬっぽいです。
―…やっぱり今日朝から授業うけとけばよかったかなぁ。
『…どしたの?』
声の主は女の子だろう。
鼻にかかった女の子らしい声。
『どーしたもこーしたも…』
僕は周りを見渡した。
右、左、上、下。
…………ん?!
『上ッ!??』
屋上の入り口の上にある小さな階段に、声の主が座っている。
『……うっわぁぁっ!』
『…失礼なひと。』
僕は、とりあえず声の主が人間であることを確認してから
ゆっくりと歩み寄った。
―……いつも今日は昨日になって、明日は今日になる。
あしたはすぐにくる。
それがあたりまえだったから
その繰り返しがあたりまえだったから。
それが僕の毎日だったから。
あの日、君に出逢うまで、
明日がくることがこんなに悲しいなんて
思ったこと
なかったんだ。
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