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ある夏の日の一時に 6

[218]  ネリコ  2009-03-25投稿
「さて、さっきの質問に答えなきゃね
でも、貴方……少し疲れてるみたい
“家″の中でお茶でもしながら話しましょうか」
とテレーゼは僕を“小屋″の中に入るよう促した
中に入ると確かにそこは“家″だった
外から見たときは確かに七畳ぐらいしかない小さな小屋にしか見えなかったが
しかし、入ってみると実際の広さは僕の想像の倍ぐらいあり
おまけに入口以外の扉が二つ
それに地下に通じているだろう階段が一つと
どこにこんなスペースがあったのだろうと不思議でならなかった
そんな僕の様子に気が付いたのかテレーゼは
「驚いた?
ここじゃ貴方が来た場所の常識とはまた別の常識で出来た世界なんだよ
まあ、外を見ても分かる通り何だけどね」
と、窓の外を見ながら僕に悟すように語った
「そうだね………
もう、何がなんだか…」
と、ため息混じりに呟くように返事をした
僕は倒れ込むようにして窓際の椅子に座りテレーゼはどこから出したか分からないカップに
どこから出したか分からないポットでコーヒーを注ぎ
どこから出したか分からない砂糖とミルクをたっぷり入れて僕に差し出してくれた
回りを見回したが食器とかを仕舞う棚やお湯を沸かすコンロなどは当然のように無い
僕は
「あー……
君ってもしかして魔法使いとかの類とかそんな感じなのかな?
で、ごちそう食べさせて太らせて僕をごちそうさまみたいな?
それとも今までのは全部夢で公園で背中から落ちた時に頭を撃って未だ夢の中みたいな感じなのかな?」
その問いにテレーゼは
「残念ながら後者の方は不正解かな
そのほうが楽だったんだろうけどね
で、もう片方は……」
妖艶な笑みを浮かべ何か危ない雰囲気を出している彼女の姿に
僕は
ビクッ
と椅子を引き立ち上がり二、三歩後ずさった
そんな様子を見て彼女は満足気に
「ふふん、冗談よ
私はそんないい趣味持ってないわ」
と言い、続けて
「まあ、魔法使いって点だけならあながち間違いではないのかもしれないわね」
と妙に納得にいく答えが返ってきた
僕はひとまず食われる心配が無い事がわかりホッと胸を撫で下ろした

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