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あしたなんていらないから?

[323]  あめの  2006-07-09投稿


『な、なんだっ………?!?』




4階の窓からだ。


屋上のフェンスにがしゃがしゃっとよりかかって、
友達であろう声が聞こえた方に向かって応答した。



『なにーーーーッ??!』
『せんせーがさー!お前探してるってー!捕まる前に自首しとけーーーー!』




なんだと。



直にここもばれる。




『………と、ゆーわけだから、さ。』
『…うん。ばいばい。』



あんまりあっさりしたばいばいに、僕はちょっとがっかりしつつも、
ばいばい、と言い返して
屋上から出た。



『あっ。ねぇ明日も来るの?』



僕は、立ち止まって少し考えてるふりをしながら



『っ…うん!多分くると思う!』


と、おもいっきり振りかえって答えた。



『そう。』


クスクス笑いながら、女の子は手をふった。



『じゃぁ、またね。』





ばいばいから


またねに変わっただけなのに


さっきの寂しい感じはなかった。



『ま、またね。』




ダダダダッと階段をかけおりて、僕はしょくいんしつに駆け込んだ。



『せんせー常習犯自首しにきましたよー』



隣のクラスの担任が茶化すように言う。




『あっ!相田!おまえから来るとはおもってなかったぞ!よし!反省具合によっては説教免除してやる!』



先生はひとりで勝手に感動している。




『あのさせんせー!俺、明日も遅刻します!』







その日の先生の怒鳴り声は、200m先の体育館まで聞こえたそうだ。

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