ギャラクシーラリー25
声をかけてきたのは、吉原桃子だった。
美穂とは正反対の存在。
発達した胸とお尻、それを強調する派手なファッション。舌足らずなしゃべり方…。
ほとんどの男は吉原桃子を見ると、目のやり場に困るだろうが必ず振り返って見てしまう。
美穂は吉原桃子とはハローワークで知り合った。
「ねぇ、火を貸してくれない?」それが美穂が彼女と初対面で言われた言葉だった。
タバコを指で挟んでくるくる回しながら桃子は言った。
美穂はタバコは吸わない。普通そういうのって、タバコ吸ってる人とか吸ってそうな人に頼むものじゃない?
何でワタシに言うのよ…?
美穂は自分の対極に住む女に少々イラっときた。
そしてバッグからジッポのライターを出して桃子に貸した。
学生時代、片想いの男にプレゼントしようと買ったのだが、結局渡せず未だに持っていたものだ。
美穂にとって、他人へ自分が積極的に干渉しようとした最後の記念品だ。
時々、オイルをさしてちゃんと使えるようにしていた。
これは、自分が社会性を失わない為の儀式に近いものだ。
この時、桃子を無視すれば良かった。
なぜライターを貸してしまったのか?美穂にはわからない。気まぐれだった。
桃子は機関車のように煙を吐き、礼を言ってライターを返した。
そして立ち去ろうとする美穂に、機関銃のように話始めた。
美穂は後悔した。
桃子の声は大きく、派手な容姿は人目を引く。
周りの視線に耐えきれず、美穂は桃子を喫茶店に誘った。
後悔は深まる一方だが、この女は無視する方が疲れる。仕方がなかった。
美穂とは正反対の存在。
発達した胸とお尻、それを強調する派手なファッション。舌足らずなしゃべり方…。
ほとんどの男は吉原桃子を見ると、目のやり場に困るだろうが必ず振り返って見てしまう。
美穂は吉原桃子とはハローワークで知り合った。
「ねぇ、火を貸してくれない?」それが美穂が彼女と初対面で言われた言葉だった。
タバコを指で挟んでくるくる回しながら桃子は言った。
美穂はタバコは吸わない。普通そういうのって、タバコ吸ってる人とか吸ってそうな人に頼むものじゃない?
何でワタシに言うのよ…?
美穂は自分の対極に住む女に少々イラっときた。
そしてバッグからジッポのライターを出して桃子に貸した。
学生時代、片想いの男にプレゼントしようと買ったのだが、結局渡せず未だに持っていたものだ。
美穂にとって、他人へ自分が積極的に干渉しようとした最後の記念品だ。
時々、オイルをさしてちゃんと使えるようにしていた。
これは、自分が社会性を失わない為の儀式に近いものだ。
この時、桃子を無視すれば良かった。
なぜライターを貸してしまったのか?美穂にはわからない。気まぐれだった。
桃子は機関車のように煙を吐き、礼を言ってライターを返した。
そして立ち去ろうとする美穂に、機関銃のように話始めた。
美穂は後悔した。
桃子の声は大きく、派手な容姿は人目を引く。
周りの視線に耐えきれず、美穂は桃子を喫茶店に誘った。
後悔は深まる一方だが、この女は無視する方が疲れる。仕方がなかった。
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