心鬼(しんき)?
「うぅうううぅぅ〜〜!うっ!ぐっ!!」
麗が目を吊り上げらせ、自分を縛っている鎖にかみ砕くかのように鎖をはずそうとする。
「…やはり同じだよ…。麗…。今のお前は、飢えた化け物だ…。ふふふふふ…。」
慎介が鉄格子の向こうから麗をみる。
♪
ゆっくりと視界が広がる…。そこに、髪を無造作に縛っている男がいる。
「お?気がついたか?坊主!」
諷哉は男の方を見る。男はニカッと笑いながら答える。
「いつも、麗が世話になってるな…。俺は育て親の拓だ。」
拓はキセルをくわえながら諷哉の様子を伺う。
諷哉は拓をじっと見てから、ハッとしてがばっと起き上がる。その時、腹に激痛が走り前屈みになって呻いた。
「動くな。結構深かったからな…。」
拓は物静かに諷哉に答えた。諷哉は一息ついて、拓に視線を送る。
「あなたも…心鬼ですか…?」
「…ん…元、心鬼だ。この時代に来てから刀なんざもう握ってねぇ…。」
キセルを上下に動かしながら拓は言葉を口にする。キセルを口から離し煙をはいてから諷哉に聞く。
「…一つ聞くが…その傷は…麗がやったのか…?」
諷哉は少し間を置きゆっくり頷く。
「…あの…慎介とかいう奴が言ってたんですが…心鬼の最大の秘密ってなんですか…?」
「…聞いたら…麗を人間から離すように思うかもだぞ…?」
しかし、諷哉は強く答える。
「それでも、俺は聞きたい!」
拓は一服吸ってからキセルを再びくわえて、語った。
♪
鉄格子の中で、呻き疲れた麗は壁にもたれかけ、屍のように静かに座っていた。そして、残っている意識の中拓に教えられた心鬼の秘密の事が頭をよぎっていた。
(拓じぃ…このことだったんだね…。父様達が殺された理由である…心鬼最大の秘密…。)
♪
麗達が元々いた時代である江戸時代…。そんな江戸に、流れた心鬼の秘密。―心鬼はいずれ、人喰い鬼となる。―\r
人喰い鬼になるのは間違いない…。だが、いずれではなく…反省する気のない者の心を絶えなく斬り続けると、心鬼の魂が血の味が恋しくなり…それは、その人の身体と神経にも及ぼす。そして、最終的に本当に人喰い鬼となる。
♪
当時、その肝心な人喰い鬼となる理由が誤報で江戸に渡った為、心鬼は皆殺しにされた…。
麗が目を吊り上げらせ、自分を縛っている鎖にかみ砕くかのように鎖をはずそうとする。
「…やはり同じだよ…。麗…。今のお前は、飢えた化け物だ…。ふふふふふ…。」
慎介が鉄格子の向こうから麗をみる。
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ゆっくりと視界が広がる…。そこに、髪を無造作に縛っている男がいる。
「お?気がついたか?坊主!」
諷哉は男の方を見る。男はニカッと笑いながら答える。
「いつも、麗が世話になってるな…。俺は育て親の拓だ。」
拓はキセルをくわえながら諷哉の様子を伺う。
諷哉は拓をじっと見てから、ハッとしてがばっと起き上がる。その時、腹に激痛が走り前屈みになって呻いた。
「動くな。結構深かったからな…。」
拓は物静かに諷哉に答えた。諷哉は一息ついて、拓に視線を送る。
「あなたも…心鬼ですか…?」
「…ん…元、心鬼だ。この時代に来てから刀なんざもう握ってねぇ…。」
キセルを上下に動かしながら拓は言葉を口にする。キセルを口から離し煙をはいてから諷哉に聞く。
「…一つ聞くが…その傷は…麗がやったのか…?」
諷哉は少し間を置きゆっくり頷く。
「…あの…慎介とかいう奴が言ってたんですが…心鬼の最大の秘密ってなんですか…?」
「…聞いたら…麗を人間から離すように思うかもだぞ…?」
しかし、諷哉は強く答える。
「それでも、俺は聞きたい!」
拓は一服吸ってからキセルを再びくわえて、語った。
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鉄格子の中で、呻き疲れた麗は壁にもたれかけ、屍のように静かに座っていた。そして、残っている意識の中拓に教えられた心鬼の秘密の事が頭をよぎっていた。
(拓じぃ…このことだったんだね…。父様達が殺された理由である…心鬼最大の秘密…。)
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麗達が元々いた時代である江戸時代…。そんな江戸に、流れた心鬼の秘密。―心鬼はいずれ、人喰い鬼となる。―\r
人喰い鬼になるのは間違いない…。だが、いずれではなく…反省する気のない者の心を絶えなく斬り続けると、心鬼の魂が血の味が恋しくなり…それは、その人の身体と神経にも及ぼす。そして、最終的に本当に人喰い鬼となる。
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当時、その肝心な人喰い鬼となる理由が誤報で江戸に渡った為、心鬼は皆殺しにされた…。
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