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ギャラクシーラリー27

[425]  フェイ  2009-03-28投稿
「ライターもマッチも持っていない。そちらの女性に聞いてみたら?」

遼一は、桃子に美穂を見て素っ気なく答える。

「えぇ〜、そうなんだぁ。」くねくねと桃子が近づく。
その声にいつもと違う響きを美穂は感じた。

自分の魅力に気が付かないのか?とでも言いたげだ。イラついているのかも。

遼一は、真っ直ぐな視線で桃子を見据えて言う。

「そうだ。」

深い声だ。哀しみ、喜び、あらゆる感情を含み、それらを超越した響きだ。

威張っていない。媚びていない。渋い声だと美穂は思った。

何だかドキドキする。こういう人、好きかも…。

立ち去ろうとする遼一に美穂は声をかけた。
「今にも降りそうですね」

見ず知らずの男に声をかけるなんて、美穂にとっては大冒険だ。たとえ挨拶がわりの言葉でも。

「うん…。そうだね」桃子に向けたものと同じ視線で遼一は言う。

しかし、桃子の時よりも声が優しい感じがした。気のせいかしら…。

美穂は何だか少し嬉しくなった。

桃子に初めて女としてアドバンテージを取った気がする。

「私達ぃ、これからぁ、そこの喫茶店で、お茶するんだけどぉ〜、一緒にどう?」

逆ナン?なんて図々しいんだろう…しかし今回ばかりはナイスだ。と美穂は思った。

多分断られるだろう。軽い男には見えない。歳は三十歳を超えたくらいか…。

美穂の想像は膨らむ。この男ともう少し一緒にいたい。
「あぁ、知り合いだったの…?」

遼一は意外にもOKした。
「雨も降りそうだしね」そう付け加えた。桃子ではなく美穂を見て。

美穂は顔が赤くなるのを感じた。

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