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ギャラクシーラリー29

[410]  フェイ  2009-03-30投稿
桃子はだんだん腹が立ってきた。

なぜ、この男は私の胸を見ない?

なぜ、この男は私のお尻を見ない?

そんな自分の思考すら見透かされているようだ。

何とか興味を持たせたい。
特にイケメンでもないし、タイプでもない。オッサンだし。

ただし、私に興味を持たないのは許せない。

全ての男は私の魅力の虜にならなくてはいけないのだ。
何とかしなくては…。

プライドが許せない。

「ねぇ、ギャラクシーラリーって知ってるぅ?」

とにかく、色んな話題をふって相手の気に入る女として振る舞うのだ。

そして、捨ててやるのだ。
「何それ?」遼一が初めて桃子の話題に興味を持ってきた。

「何か、車のレースらしいよ。賞金三億だって」

桃子はもったいぶって言った。

本当は大して内容は知らない。前に、取り巻きの男の子達が騒いでいたのを覚えていただけだ。

「素人が参加出来るの?この不景気にすごい額ね」

美穂は、何だかいつもと違う。声で分かる。桃子は思った。

この冴えない中年に一目惚れしたの?いるのよね、ダメな男にばかり惚れる女って…。

「このサイトで受付やってるよ」桃子は携帯の画面を見せた。

渡された携帯電話を遼一は見ていた。

意外と真剣な眼差し。そして、時々、ゾッとする程鋭い光が眼に宿る。

桃子にも何となく美穂の気持ちがわかってきた。

「ねぇ、私達でレースに出てみない?」

自分でも意外な言葉が、桃子の口から出た。

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