携帯小説!(PC版)

トップページ >> ホラー >> 箱舟2

箱舟2

[541]  2009-03-31投稿
(何てこった!!)その場を覗いた深川は心の底から後悔した。何故なら深川は殺人現場を覗いてしまったのだ。(い、一体どうすればいいんだよ!?)この時深川は自分でも気付いている以上に焦っていた。こうしている間にも人間は男に殴られていた。殴られている人間の方は暗くて性別すらも見分ける事が出来ない。いや、もし明るかったとしてもわからなかっただろう。その時人間は人としての形を保ってはいなかったのだ。だが、あれは人間だと深川は何となく思えた。その理由は定かではないが、本当に深川は何となく人間だと思ったのだ。(と、とにかく!今は逃げしかない!!)ランニングで疲れきった足を一生懸命に動かそうと深川は後ろへ振り返る。その時。早く逃げようとする余りに足が縺れ、派手な音をたてて深川は転んでしまった。「ぐわッ!!」深川は顔面をセメントの道路に強打してしまった。男がいる方向へと目を向ける。(しまった!!)と深川は思った。男がこちらを向いている。その鋭い眼には明らかに深川への殺意が込められていた。深川はそれに気付き、転んで俯せになった身体を仰向けの状態にまでもっていった。が、それまでだった。足が震えていて上手く立ち上がる事が出来ない。(畜生!チクショウ!!ちくしょう!!!)男がこちらへ向かって走ってくる。左手に赤く染まった石を持って。深川は自分の鼻の下辺りに流れるものに気付き、それを拭い取った。血だ。深川は思う。(これも全部あの蟲のせいだ!!あいつがあんなにうるさくなかったらジョギングに出る事もなかったのに!!)そう考えた瞬間にまた蟲が音をたててやってきた。しかもその音が尋常ではない。深川の家で聞いていた音の数倍はある。「またか!糞野郎が!!」深川は思わず声に出して叫んでいた。男は深川の直ぐ近くにいた。男が深川を見下ろす。深川が男を見上げる。そして。鈍い音が早朝の道路に響いた。

深川は目覚める。
何処ともわからない船の上で。

感想

感想はありません。

「 J 」の携帯小説

ホラーの新着携帯小説

サーバ維持用カンパお願いします。
WebMoney ぷちカンパ

Twitterで管理人をフォローする

利用規約 - サイトマップ - 運営団体
© TagajoTown 管理人のメールアドレス