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心鬼(しんき)?

[219]  高柳美帆  2009-03-31投稿
「麗!俺だ!!久野諷哉
だ!」
麗は表情を変えずにただじっと諷哉を見る。慎介は諷哉に言葉を投げる。
「…無駄だ…麗は完全な人喰い鬼となった…。」
その言葉を合図にしたかのように、麗は刀を抜いた。そして、素早く間合いに入り水平に刀を滑らせる。慌てて、諷哉は刀でそれを受け止め、なぎはらう。実は、諷哉は剣道初段であったが、麗だけには勝てなかった。それをわかっていて諷哉は戦いを挑んだのだ。麗を…大事な人を助けるには、これしかなかったのだったから…。
しかし、この戦いはいろんなことが違う。普通の剣道なら竹刀で叩かれたら、『痛い』だけで済むが…真剣を使うとなると もれなく、『死』か『無くす』がついてくるのだ…。麗が、刀で諷哉を斬ろうとする。諷哉は必死に攻撃を防ぐ。刀を叩き落とされたうえに、諷哉は体当たりをくらい壁に激突する。麗の刀が自分の頭を狙ってるのがわかり、『うおっ』と呻きながらそれを避ける。そして、走って自分の刀が落ちてる所へ向かいそそくさと刀をとる。続いてクルリと向きを変え刀を横にして、降りてきた刀を防ぐ。
「麗…俺は……おまえが人喰い鬼になろうが、関係ねぇ…。あん時から今までにわたって…大事なダチなんだよ…!」
歯を食いしばり、言葉を口にする。
「…マジで楽しかった…なのに……おまえ、忘れるつもりかよ!…んな、キモい鬼に負けて忘れる気かよ…!?麗ぁぁ!」
だが、麗は表情を一つも変えずに刀に力をくわえる。諷哉は麗を蹴っ飛ばし、麗から刀を払い落とす。うっかり勢いに負け麗は刀を手放してしまった。誰もがここでとどめをさすかと思った…。が諷哉は麗を包みこみ、腕に力をいれて言葉を告げる。
「頼む…情けねぇけど…俺こうするしか…できねぇんだ…。麗…。」
そしてなかなか聞き取れない声で
――…スキだ…――
と呟く。しばらくして、
「…………せ……。……………ろ………。」
「へ?」
突然の声に諷哉がキョトンとした直後…。
「放せえぇぇぇ!!こんの、ばっかやろぉぉぉ!!!」
と、共に拳が諷哉の顔にめりこんだ。
「いっっっ!!」
顔をおさえて諷哉は痛みをこらえる。おそるおそる見ると、そこにはいつもの表情の麗がいた。あの…冷たい目はしていなかった。
「なんにすんだ!?麗!」
「…こっちのセリフだ。状況をわきまえろ!」
いつもの調子の麗が戻った…。

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