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ギャラクシーラリー30

[402]  フェイ  2009-03-31投稿
美穂と遼一は目を見合わせた。

「駄目だよ…」遼一がゆっくり言った。

「なんでぇ?」

よし、話しに乗ってきたわね…。そう思いながら桃子は言った。

「危険だからだ」遼一は即答した。

「でも一応ちゃんとしたレースなんでしょう?まぁ事故ったら危ないけど」

美穂が口を挟む。

「いや、そうじゃない。賞金が高すぎる」と遼一。

「高いならいいじゃなぁい」桃子が言う。もう立ち直ったのか、くねくねしている。

「賞金三億が目当ての連中が集まるんだ。何をされてもおかしくない。大会は自己責任だ」

遼一を見て美穂は思う。いつの間に大会規約まで読んだんだろう?さっきの、あの短時間で…。カッコいいなぁ。

「スタートした直後に乱闘が起きるだろう」遼一は断言した。

「いくらなんでも、それはないんじゃなぁい?」桃子が反発する。

「確かにこの国は平和で豊かだ。だけどね、楽園ではない。現に俺たちは失業している。見えない所じゃ差別や偏見、暴力が確実に存在する」

美穂はドキッとした。自分もセクハラを受けた。女性差別だ。

「でも、そんな事ばっか言ってたらチャンスを逃す一方だわ。チャレンジ精神って大事でしょ」桃子が珍しく歯切れ良く言った。

桃子の意見も正しいと美穂は思った。

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