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あなたのポッケに入れたら

[489]  太郎  2009-04-01投稿
アタシは、コウタのことが大、大、大好き。優しいコウタの笑顔と言葉に包まれて、ずーっとコウタの側に居たいの。

でも、実際はコウタの側にずーっと居られるわけじゃない。コウタはバイトに行くし、友達とも遊びたいし、パチンコにも行きたいし、一人になりたいときがあるの。
アタシの束縛が原因でコウタを苦しめていたようで、ケンカしちゃった。


コウタもアタシとずーっと一緒に居たいって言ってたのに、それはアタシの「ずーっと一緒」とは違うんだ。


あ〜ぁ、コウタのポケットに入って、ずーっと一時も離れず一緒に居たいな。

そう思いながらアタシは眠ってしまっていた。コウタに会いたいと涙をこぼしながら。



気が付くとアタシはゆれていた。周りは布のようで、暗いけど、外からの光が繊維の隙間から入っているのが分かる。

上を見上げるとでっかいコウタの顔。笑顔の優しいコウタ。

嬉しい!コウタのポケットに入れた。これで、ずーっと一緒。


するとコウタは、女の人と楽しそうに話している。笑顔はその人に向けられていた。手までつないで…デートみたい。

イライラ。


アタシのこと忘れてる?そっか。アタシがポケットに入っててずーっと一緒に居るから慣れちゃったんだ。恋愛対象じゃなくなちゃったんだ。アタシ、ピアスみたいに身に付けるものになっちゃったみたい。

アタシはコウタの身に付けるものなんかじゃない!そばに居なきゃいけない彼女だもん。


離れている時間って大切なのかも。胸の苦しみが愛を深めるのかもしれないな。



目が覚めると、コウタが居た。

「ただいま。会いたかったよ。」

コウタのアタシに向けられた、優しい笑顔。と、腕に包まれて、アタシはもう一眠りした。

涙で濡れていた枕はもう乾いている。

幸せ。

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