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スラム part44

[534]  やいち  2009-04-01投稿
「結局尋問って何なんだよ?」
修二は地元の駅に降りてから言った。

「だから〜ぶっちゃけ椿ちゃんのことどう思ってるの?」
「悠ちゃん。椿ちゃんってあの椿ちゃん?」
「うん。去年同じクラスだった。」
そうか。
去年、悠とミィは同じクラスだったな。
「へぇ〜。修二、椿ちゃん狙ってるの?あんた猛者だね。あの子去年、十人以上から告白されて誰もオッケーしなかったんだよ。結構カッコいいやつもいたのに。」
「そんなこと悠が言ってたな。てか、だからなんで俺が椿ちゃんを好きってことになってんだよ!!」
「そりゃあ。ミィも俺も修二から女の子の名前が出たのなんか久しぶりに聞いたから。」
「それで決めつけんなよ。」「でも、修二が仮に椿ちゃんを好きだとして、たぶん無理だろうねぇ。」
ミィが言った。
「何でだよ?修二、結構見た目はいいじゃん。」
「たしかに、顔は結構いいんだけど。あたしあの子が振ってばっかだから好きな人でもいるのかって聞いてみたんだよねぇ。」
「それで?」
修二は興味がないとでもいうような顔で聞いた。

「なんか高校入って最近までは好きな人がいなかったから付き合えなかったんだって。それで最近になって気になる人ができたそうなんだよね。」
「あれ?修二、顔が暗いよ?」
悠が言った。
「うるせぇ。」
そりゃあんなに可愛いのに彼氏いなかったんだからな。
それに高校生なんだし好きな人もいるだろう。

「ミィ、それで誰か聞いたの?」
悠が聞いた。
「うん。でも名前は教えてくれなかったんだよね。しかもドラマとかマンガみたいな話でね。なんか不良に絡まれてるところを助けてもらって家まで送ってもらったんだって〜。」
「へぇ〜。とりあえずこれで修二じゃなくなったね。」
「そうだね。修二、こんな面倒事に首突っ込まないもん。」
おまえら、言い過ぎだろうが。
「あ〜。その不良から助けたっての、俺かも。」
少し静かになった。
そして
「オッケーじゃん!!!」
という悠とミィの声が空に響いた。

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