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時と空の唄13-4

[311]  花神ミライ  2009-04-01投稿

扉は大きさの割りに軽く、しかしいかにも重そうな音をたてゆっくりと開いた。
中は外ほど寒くない。
コートをその場に脱ぎ捨て、四人は神殿の奥へ進んだ。
シンとした神殿内に四人分の足音が響く。
「…にしても静かだな。」
「ここまで静かだと逆に不気味ですよね。」
ラウフの言葉に雪が相槌を打つ。
「イツキの事もあるしなぁ…あいつも来てるだろう」
「…はい。そう、ですね」
雪が僅かに瞳を伏せたのをラウフは知らない。

「よく来たね、雪。」

そう言って彼らを迎えたのは他でもないイツキだった。
「イ…ツキ……」
イツキを見つめる雪の瞳にいつものような光はない。
「雪、剣と宝玉を渡して」
優しい声でイツキが言う。
そんなイツキに雪が動揺してまうのは仕方のないことだった。
「…さあ」
「………。」
雪が俯く。
「雪」
「……ふ………」
「雪?」
「『降り注げ 白銀の刃』っ!!」
雪が叫ぶと氷で形成された無数の矢がイツキへと降り注いだ。
雪の攻撃行動にイツキは驚き、避けるしかなかった。
「……雪…」
「ごめんなさい、イツキ。
でも私は、シーラさんの時間を取り戻したい。」
雪の凛とした声が神殿内にしっかりと響いた。
今、彼女の瞳には僅かに、けれど確かに光が灯っている。


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