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奈央と出会えたから。<342>

[579]  麻呂  2009-04-02投稿

ユカ。



今日は学校休んだケド、家にいるのかな。



メールをすればいいだけのコトなのに、何故か、躊躇してしまう。



話したい。



今は、ただユカに会って話したいっっ。




『奈央‥‥。さっきから何か気付かないか?!』



不意に聖人があたしに言った。



『え‥‥?!何が?!』



そう――



聞き返したあたしの横で、聖人が何かに気付いたらしい。





『誰よ?!さっきから俺らの跡をつけてるのは?!』



聖人がピタリと足を止め、そう言うから、思わずあたしも立ち止まる。





『‥‥いやぁ、北岡君。よく、僕の気配に気付いたねェ‥‥。』



突然、あたし達の背後から聞こえた、少しトーンが高めのその声――



後ろを振り返ると、


そこには、



中性的な容貌の、1人の正しくイケメンと言うに相応しい、美しい少年が立っていた。



どこかで見た!!



このヒト!!



あ‥‥‥。



ユカから見せてもらった写メ。



もしかして‥‥‥。


このヒトが、ユカの付き合ってるヒト!!



森宮ヒロキ???





『テメェ‥‥誰よ?!何で俺らの跡をつけやがる?!』



キッ―――\r



そのトキの聖人は、いつもの優しい聖人じゃなかった。



目は鋭く目の前の男を睨みつけている。


2人の目線は、僅かに聖人の方が高く、


どちらかが目を逸らさない限り、



その鋭い2つの視線は、互いに睨み合ったままの状態に思われた。





『僕が誰かは、既に見当ついてるだろ?!コソコソと僕について嗅ぎ回っているのは分かっているんだよ?!

クックック‥‥。なるほど、君もなかなかのイケメンだねェ‥‥。まぁ‥僕には及ばないケドね。

何故なら、僕は世界で1番美しい男だからサ。』

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