奈央と出会えたから。<342>
ユカ。
今日は学校休んだケド、家にいるのかな。
メールをすればいいだけのコトなのに、何故か、躊躇してしまう。
話したい。
今は、ただユカに会って話したいっっ。
『奈央‥‥。さっきから何か気付かないか?!』
不意に聖人があたしに言った。
『え‥‥?!何が?!』
そう――
聞き返したあたしの横で、聖人が何かに気付いたらしい。
『誰よ?!さっきから俺らの跡をつけてるのは?!』
聖人がピタリと足を止め、そう言うから、思わずあたしも立ち止まる。
『‥‥いやぁ、北岡君。よく、僕の気配に気付いたねェ‥‥。』
突然、あたし達の背後から聞こえた、少しトーンが高めのその声――
後ろを振り返ると、
そこには、
中性的な容貌の、1人の正しくイケメンと言うに相応しい、美しい少年が立っていた。
どこかで見た!!
このヒト!!
あ‥‥‥。
ユカから見せてもらった写メ。
もしかして‥‥‥。
このヒトが、ユカの付き合ってるヒト!!
森宮ヒロキ???
『テメェ‥‥誰よ?!何で俺らの跡をつけやがる?!』
キッ―――\r
そのトキの聖人は、いつもの優しい聖人じゃなかった。
目は鋭く目の前の男を睨みつけている。
2人の目線は、僅かに聖人の方が高く、
どちらかが目を逸らさない限り、
その鋭い2つの視線は、互いに睨み合ったままの状態に思われた。
『僕が誰かは、既に見当ついてるだろ?!コソコソと僕について嗅ぎ回っているのは分かっているんだよ?!
クックック‥‥。なるほど、君もなかなかのイケメンだねェ‥‥。まぁ‥僕には及ばないケドね。
何故なら、僕は世界で1番美しい男だからサ。』
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