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愛を知りたい君へ 3

[332]  海菜香  2009-04-02投稿


『カミヤ君』
それは、同じクラスの男の子。
影ではクールだと評判がいい。
女子に話しかけるようなタイプではない彼が今、私に話しかけてくれている。
「何をそんなに驚いてる?」
彼は屋上入口付近に座って本を読んでいた。
「だってカミヤ君がいきなり話しかけるから!」
本に向けていた顔をサヤカへ向けた。
その顔は整っていて、かなりかっこよく思えた。
あぁ、きっとカミヤ君みたいな人はコウタみたいなことはしないだろう。
そんなことを考えてしまう。
「サヤカ…」
「はい!?」
「この本の主人公と同じ名だ。」
「…え?」
私は、本を覗き込んだ。
「何の本?」
カミヤは本に視線を戻し。言った。
「恋愛小説。サヤカという女の子と幼なじみとが恋に落ちるんだ。」
(サヤカと幼なじみ…)
嬉しくなった。
まるで、私とコウタが恋に落ちるようだと思えた。
「カミヤ君も恋愛小説読むんだ。」
「あぁ…」
それからもう少し詳しくストーリーを教えてもらった。
「その本読み終わったら貸して!」
カミヤはあっさりと
「うん」
と、言ってくれた。


(結局、午後の授業出てないな…)
そんなことを思いながら家に帰ってみると、家の前にはコウタが立っていた。
コウタは私を見るなり
「遅い!」
と、一言だけ言った。

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