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メルヘンとロマンチスト

[344]  東雲  2009-04-02投稿
第一話 「ロマンチストの天使」



天使。あのよくアニメとかででてる奴。羽が生えてて天国とかに連れていく奴。

そんな作り話みたいな奴が今、俺の前にいる。

「おーい。聞いてるわたる君?」
天使と名乗るこの男はいきなり現れた。部屋でただ漫画を読んでたら来た。いきなり来て言った。

「な、何?」

「だから…俺と一緒に世界を救おうぜ!?」

「何言ってんのお前。わけわかんないし、いきなり来て天使?お前が?そんな死んだみたいな目をした天使なんているか」

「うわぁ言っちゃったよ。人が気にしてること言ったよ。目が死んでてもいいじゃん。その分ほかの所生き生きしてるから。羽とかさ!」

全然天使に見えない。はたから見たら目が憂鬱な青年。に、似合わない羽がついてるだけ。そんな奴と世界を救う?到底信じられなかった。天使は俺のベッドに寝そべっていた。

「なんかさあ天国の神様がねこのままだと人類を消すって言われたのよ」

「は?」

「で、人類存亡最後のチャンスに天使の俺が下界の人間一人と一緒にこの世界の悪い所を無くすんだよ。もし成功したら人類は生き残れる。失敗したらはいさようなら」

「…し、信じられるかよ!人類が消える?はっ!勝手にやってろよばかやろう!」
信じられなかったし、信じたくなかった。いきなり現れたわけのわからない奴に人類が消えると言われ、その阻止のために世界を救う?

「…ふーん。お前がその気なら俺は別にいいぜ?
俺も無理矢理仕事押し付けられたんだから早く終わっていいし」

「終わる…」

「そう終わる。人類消滅。でももったいないなあ。俺は人間の事はぶっちゃけどうでもいいけど人間のもつロマンって言うものが好きなんだ。なんかカッコイイだろ?」

「ロマン?」

「そうロマン。…ん?」
そこで天使はポケットから携帯のような物を出した。

「指令だ。この家の近くの公園のホームレスが若者の集団にリンチに合う。それを助けろ。さあどうする?助けて生き残るか、助けないで死ねか。決めるのはお前だ」
そして天使は消えた。俺がホームレスを助けないと人類消滅。どうする俺。決めるのは俺だ。天使の言葉が頭の中を駆け巡っていた。

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